2022年11月17日(木)、ミュンヘン発のブラスバンド・ホッホツァイツカペレとテニスコーツの「ALIEN PARADE Returns 2022」ツアー大阪編が開催された。大阪・神戸・姫路・東京・埼玉と、各地で開催されるイベントは、主催のmajikickと関わりのある共催者が企画を行っている。大阪は「野となり、山となる」。
大正の大阪ドーム千代崎港集合&出航した船は、お客さんとテニスコーツを乗せて夕暮れどきの木津川を南下。湾岸部の工業地帯をめぐり、尻無川を遡航し同じ港へと戻ってから、今度はホッホツァイツカペレとともに夜の都心部を目指し北上していった。
動く会場となる「Ship of Fools」号は、屋形船を改造し、サウンドシステムを搭載した30人乗りの小規模船だ。荒(あら)船長と助手のふたりで運行するその船に、アーティストとお客さんが乗り込み、湾岸部や都市部の風景を音楽とともに楽しむ。今回、日本コーヒーフェスティバルを主催する珈琲焙煎研究所・川久保彬雅(かわくぼ・あきまさ)も乗船し、あたたかいコーヒーを淹れてくれた。
計4時間あまりの船旅を、本ツアー大阪編共同主催「野となり、山となる」メンバーの写真家・成田舞(なりた・まい)が切り取る。
本イベントを企画したのは、サウンドエンジニア(東岳志)と編集者(筆者)、写真家(成田)によるフィールドレコーディングプロジェクト「野となり、山となる」。船上では、演奏者の目の前と船の後方に録音用のマイク、映像記録用のカメラが立てられ、パフォーマンスの様子をつぶさに記録していった。
野となり、山となる|アーティストとともに、目的地を決めず山や森、街なかといったさまざまなフィールドへ向かい、演奏し、その一連の流れを録音・撮影・ドキュメントしていくプロジェクト。音楽が立ち上がっていくプロセスへと踏み込み、都市とその周縁において、自分たちでは制御しづらい環境や、これまでノイズとされてきた音も含め、受け入れていくような音楽のあり方を考えていく。
イベント前週の11月11日(金)には、京都・出町柳の山食音で「録音の勉強会|フィールドのとらえかた」を開催し、研究と実践の現場をひらいていく試みも。そして、本イベントを終えてからは、録音や映像の編集を行い、アーティストとともに当日の出来事を振り返る「報告会」も開催予定だ。
大阪編|ホッホツァイツカペレとテニスコーツの船出
日程:2022年11月17日(木)
集合・帰港:大阪ドーム千代崎港
「第1部 テニスコーツ、南へ行く」
受付開始 15:30/出港 16:00/帰港 17:30〜18:00予定
乗船:テニスコーツ
「第2部 ホッホツァイツカペレ、北へ行く」
受付開始 18:30/出港 19:00/帰港 20:30〜21:00予定
乗船:ホッホツァイツカペレ
ゲスト:テニスコーツ
録音・撮影:野となり、山となる[東岳志(山食音)+永江大+成田舞]
ビジュアル:廣田碧(看太郎)