昨年11月より月一度の満月の夜に開催してきた「MOONSLANG」。最終回は、2021年10月21日（木）19時、Blend Studio（旧The Blend Inn）前の此花朝日橋バス停あたりに集合・スタートし、此花区周辺を1時間半ほど歩く。

先導するのは、詩人・辺口芳典。目的も目的地もなく、ただただ歩いていくことが、次の創作に続く出会いやきっかけ、まちを見る視点の発見へとつながっていくとして、辺口は新型コロナウイルス感染拡大以前から日々の歩きを実践してきた。その延長にある本企画は、まちのあらゆるものと共鳴し、自律的に移動する「歩き」を、ひとつの「詩」としてとらえる試みにも見える。

また、「MOONSLANG」のインスピレーションの元には、ドイツ・ケルンで2020年11月に開催された、写真家のカチャ・ストゥーケと辺口による展覧会「Moon over Konohana」がある。コロナの影響で現地に行けないこともあり、カチャから送られてきた写真を辺口が持ち歩く、その様子を映像作家・BUSHIが撮影、作品《MOONSLANG》として出展した。それが毎月の「MOONSLANG」へとつながっている。

これまで実施してきた月毎の歩きを含め、BUSHIによる映像作品のアーカイブがYoutube チャンネル「To moon over konohana」に上がっている。コロナ禍における詩人の活動として、大阪・此花の風景を切り取ったドキュメンタリーとして、あるいは日々を楽しく過ごすためのヒントとして、さまざまに見ることができるだろう。