社会をひとつの彫刻とみなし、芸術による社会変革を夢見たドイツの彫刻家、ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)。同じくドイツ出身の画家、ブリンキー・パレルモ(1943〜1977)は、教育者として多くの芸術家を育成したボイスの教え子のひとりだ。
脂肪やフェルト、金属などの素材を用いた立体作品や、「アクション」と呼ばれるパフォーマンスで知られるボイスと、ささやかで抽象的な作品で絵画の再構築を試みたパレルモ。一見対照的なふたりだが、ボイスはパレルモを自身に最も近い表現者だったと認めている。芸術を生の営みへと取り戻そうと試みた点で、ふたりは共通していたのだ。
本展は日本で約10年ぶりとなるボイス展、また国立美術館でははじめてのパレルモ展となる。ボイスとパレルモ、それぞれの作家の特徴を概観しつつ、両者の交わりや重なりから社会と芸術の関わりについてあらためて考える機会となるだろう。
同時開催のコレクション展は、「コレクション 1 : 1968年展 −新しいパラダイムを求めて−」。世界の若者が激しい政治運動を行っていた1960年代後半の動向が反映された作品群を、約半世紀経った現在の視点から紹介する。
期間:2021年10月12日(火)〜2022年1月16日(日)
※会期中、一部展示替えあり。前期は11月28日(日)まで、後期は11月30日(火)から
会場:国立国際美術館
時間:10:00〜17:00、金・土曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
休館:月曜日(ただし、12月27日[月]〜1月3日[月]は休館、1月10日[月・祝]は開館し、1月11日[火]は休館)
料金:一般1,200円、学生700円
問合:06-6447-4680
大阪市北区中之島4-2-55
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