舞台撮影を中心に、国内外で活躍する写真家・井上嘉和による、ダンボールお面ワークショップが2022年1月29日(土)に東大阪市文化創造館で開催される。
井上の仕事といえば、劇団・維新派を撮影した、静謐な風景画のように美しい舞台写真。ANTIBODIES Collectiveの緊張感に研ぎ澄まされた身体の一瞬が切り取られた写真など、パフォーマンスアートの現場を記録し続けている。それとは別に、井上がライフワークとしているのが、ダンボールによるお面の制作、通称「ダンボル」だ。
paperC「わたしの在野研究」に掲載された井上によるコラム記事を読むと、お面づくりの最初のきっかけは、節分の日に「鬼のお面を被って帰ったらびっくりするかな?」という思いつきであったという。そのうち、親子で共同制作するワークショップの開催などを経て、人がお面をすっぽり被ることで生じるトライブ化について考察するようになる。井上が「鬼は外!」の鬼役を演じるためにつくりはじめた仮面を、自己が没入するため、すなわち被る人のための装置ととらえ直していくプロセスが、このコラムでは興味深い。
普段は、こういった原始的な行動を理性で抑えているのだろうが、欲望のままに表現されたお面を被ると理性が薄れ、大人も子どもも原始的な行動に駆り立てられる。そんな誘惑がお面にはある。
むしろ、普段の様子からは想像できない原始的な行動は、お面そのものが動いているのではないかと錯覚してしまうほどだ。
お面を被った者たちのトライブ化は、年齢や性差を超えた楽しい時間を共有する。このように、僕が何気なくはじめたダンボールお面の制作は、家族の関係を考えさせ、その家族を礎として新しいトライブを構築している。
僕は、ダンボールお面の制作、被る行為、そしてそのトライブ化する現象を『ダンボル』と名付けた。
今後もその現象を記録し続けていきたい。(paperC わたしの在野研究「お面によって構築されるトライブの記録」より)
節分の近づく1月の終わり、鬼のお面をわが子を喜ばせる(怖がらせる)ためではなく、自分のために制作するのが楽しそうだ。
日時:2022年1月29日(土)①10:00~ ②13:30~
※受付は各回30分前より会場:東大阪市文化創造館 2階 創造支援室C1、C2
受講料:2,000円(税込)※材料費含む
申込方法:2021年1月5日(水)9時より受付開始【定員となったため予約受付終了】
※申込書に [参加希望回、氏名、年齢、電話番号、住所、メールアドレス] を記入の上、窓口またはウェブサイトの[応募フォーム]から申込。定員に達し次第、受付終了。問合:電話06-4307-5772(受付時間9時~20時)、FAX06-4307-5778
主催:東大阪市文化創造館(指定管理者:PFI東大阪文化創造館株式会社)
協力:マツダ紙工業株式会社
東大阪市文化創造館
東大阪市御厨南2-3-4