旅のエッセイストとして活躍する宮田珠己の、初の長編小説である『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林、2021年)。同書の挿画を手がけた網代幸介の原画展が、2022年2月15日(火)よりCalo Bookshop & Cafeのギャラリーにて開催される。
同書のインスピレーションの元は、マルコ・ポーロが『東方見聞録』を発表したのと同じ頃に、行ってもいない東方の紀行文『東方旅行記』を記したジョン・マンデヴィル。小説ではジョンの息子であるアーサーが教皇の命を受け、父のデタラメ旅行記を情報源として旅に出る。目指すは東の果てにあるというプレスター・ジョンの王国だが、行く手には羊のなる木や犬頭人、マンドラゴラといった奇妙な生き物たちが待ち受ける。
今回のイベントでは、挿画のほかに構想段階で描かれた未発表作品や、幻想的な絵巻の原画を展示。絵巻は同書にも収録されているが、およそ3メートルの原画は圧巻の迫力だ。奇妙で恐ろしいのに、どこか愛おしい動物や植物たち。網代が描く不思議な世界観を体感してほしい。
網代 幸介 / Kosuke Ajiro
1980年生まれ、空想から生まれた物語や実際に見た夢が描かれた世界には、人、動物、架空の生物など愛おしいキャラクターがちりばめられており、観るほどに親しみが増していく。装画や演劇のビジュアルなど様々な仕事を手がけるほか、絵本に『サーベルふじん』、『てがみがきたなきしししし』、作品集に『Огонёкアガニョーク』がある。宮田 珠己 / Tamaki Miyata
1964年生まれ。1995年、旅エッセイ『旅の理不尽 アジア悶絶篇』でデビュー、以後ユーモラスな文体で独特な著作を次々発表。主な作品は『ときどき意味もなくずんずん歩く』『いい感じの石ころを拾いに』『晴れた日は巨大仏を見に』など。
『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』網代 幸介 原画と絵巻展
会期:2022年2月15日(火)~3月12日(土)
時間:12:00〜19:00
※土曜は18:00まで、最終日は17:00まで会場:Calo Bookshop & Cafe
休廊:日・月曜
協力:大福書林
問合: 問い合わせフォームより送信
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル5F