藤井寺のアサノヤにて、ASANOYA presents「西村昂祐展」が開催。
アサノヤは、藤井寺市の土師ノ里(はじのさと)エリアにある古民家・麻野邸を活用した施設。一時は取り壊しの計画も持ち上がったが、築160年の佇まいをそのまま活かし、地域に開かれた空間として利用していくこととなった。今回の展示は、アサノヤ初のアートイベントとなる。
出展作家の西村昂祐は、1999年兵庫県生まれ。2018年に大阪教育大学芸術表現専攻に入学し、アサノヤから徒歩圏内にあるアーティストランアパートメント「マンションみどり」を拠点に活動。「ターナーアワード2019」に入選、「三菱商事アートゲートプログラム」2020年度奨学生に選出されるなど、大学入学直後から注目を集めている。
西村は、1つのイメージを繰り返し転写していくデカルコマニーという手法を使い、人々に広く認知されている対象が、複製され、消費されていく過程でオリジナルのイメージから少しづつ離れていく現象を、記号として作品に取り⼊れてきた。ディスプレイに映されていた平滑なイメージが、キャンバスや絵具という質量を持ったイメージに置き換わっていく作風が特徴的だ。
今回はアサノヤの和室全体を使い、初出の大型作品含む10点以上の展示を行う。「モナ・リザ」をモチーフにした代表作から最新作まで、近年の彼のキャリアを縦断する内容となる。ホワイトキューブとは異なる時間軸の空間で、西村の作品の新たな見え方や魅力が味わえそうだ。
なお、本展と同時期に、西村の入居する「マンションみどり」でも立花光の個展が開催される。両方の展示を訪れ、若い作家たちの表現を楽しみたい。
会期:2022年2月26日(土)~3月6日(日)※会期中無休
会場:はじのさとアサノヤ
時間:11:00~17:00
料金:入場無料
藤井寺市林4-8-5