一般社団法人グランフロント大阪TMOによる、アーティストのサポートを目的とするアートプロジェクト「ART SCRAMBLE（アートスクランブル）」。プロジェクト・ディレクターに椿昇を迎え、2021年3月に第1弾、2021年9月に第2弾として計5名のアーティストの作品を、梅田のグランフロント大阪内に展示してきた。
2022年3月25日からは第3弾として、3組のアーティストの作品を新たに展示。キュレーションはヤノベケンジとMon Koutaro Ooyamaが担当している。

南館せせらぎテラスに作品を展示する檜皮一彦（ひわ・かずひこ）は、身体性をテーマとした映像や自身も使用する車イスを用いたインスタレーション作品を制作する作家。パブリックへの直接的な介入「play」を通して、さまざまな境界や関係性、アクセシビリティなどを問い直すパフォーマンスやプロジェクトも行っている。
今回が地元・大阪での初展示。車イスを用いた《hiwadrome》シリーズの一形態で、より抽象度が高まった新作・typeΔが登場する。

北館せせらぎのみち沿い壁面に展示するのは、WHOLE9とKENTA SENEKTの2組。両者とも大阪を拠点に活動している。
WHOLE9（ホールナイン） は、人物や動物など具象的モチーフを描くhitchと、自然からのインスピレーションを抽象的に描くsimoの2人組。今回は、メキシコ・ロスカボスの海面をモブラ（イトマキエイ）が大群で跳ね、海と空の両方を飛ぶように泳ぐ映像に着想を得た壁画「Mobula」を制作した。
KENTA SENEKT（ケンタ・セネクト）は、日々の心情や出来事を混ぜ合わせて支持体に反映させる手法が特徴的な作家。今回の展示作品「Tiny desk」は、グランフロント大阪にて撮影した写真を軸に制作したものだ。

檜皮の作品は2023年3月初旬まで、 WHOLE9とKENTA SENEKTの作品は2022年9月初旬まで展示される。