知的な障害のある人、音楽家、音楽療法家ら総勢約50名におよぶメンバーで構成されたアーティスト集団・音遊びの会。彼らを追ったドキュメンタリー映画『音の行方』が、2022年10月22日（土）からシアターセブンで上映される。

音遊びの会は、2005年に神戸で結成して以来、地元や全国各地で、演奏スタイルやジャンルを超えた即興演奏、多様なアンサンブルを披露してきた。その豊かな音楽性は、驚きと感嘆、時には笑いをもって人々から迎えられる。監督をつとめた野田亮は、制作の最初期に、障害のあるメンバーの保護者へインタビューを行ったという。しかし、本編に使用されたのはそのうちわずか数分。さまざまな場面と丁寧に向き合い、映画に収められたワークショップやコンサートの様子には、メンバーと過ごした時間の密度が表れる。また、本作は9章からなり、各章で異なる音楽が奏でられる点も見どころだ。それぞれが自由に演奏する姿とその音色に、きっと心が解放されるだろう。

なお、公開初日の10月22日（土）にはトークショーが行われ、野田と音遊びの会メンバーで音楽家の大友良英、同じくメンバーの三好佑佳、森大生が登壇予定。23日（日）にも、野田とメンバーによるリモートトークが実施される。映画をより楽しみ深める機会に、あわせて注目してほしい。