1993年よりフリーランスの商業写真家として仕事をしてきたマキエマキは、これまで「昭和のエロ」をテーマにしたセルフポートレート作品を発表してきました。2018年に開催された第5回東京女子エロ画際でのグランプリ受賞をきっかけに「新しい時代のフェミニズムアート」として話題を呼び、「芸術新潮」「日本カメラ」などのメディアで取り上げられたほか、イギリスのアートマガジン「ELEPHANT」でも紹介され、2019年には初の作品集「マキエマキ」(集英社インターナショナル)を、刊行しています。
マキエマキによる写真展は、ソラリスでは3回目となります。前回は「つげ義春」をテーマに、つげマンガの聖地を背景にしたセルフポートレート作品を展開いたしましたが、今回は「つげマンガに登場するヒロインをイメージした昭和の女性像」をテーマに、つげマンガオマージュシリーズの新作を展示します。
経済力のある男性に身の振り方を左右される「隣の女」のミヨちゃん、少女ながら春を鬻ぐ「もっきりやの少女」のチヨジ、ヤリ捨て日記とも思えるエッセイ「蒸発旅日記」のストリッパーM子など、彼女たちの性と人権は、作品の中で軽やかに踏みにじられています。それでもたくましく生きていく彼女たちの姿を、自分なりに描きたいと思いながら撮影を進めたといいます。
「つげ好み」の風景の中に描かれる、昭和の女の悲哀とエロスは、男性の性の客体として描かれるポルノグラフィーへのアンチテーゼ。性の主体としてマキエマキ自ら発信する、昭和エロセルフポートレートをご高覧ください。
(ギャラリー・ソラリス)
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マキエマキ略歴
1966年大阪生まれ。1993年よりフリーランスの商業カメラマンとして雑誌、広告などでの活動を始める。
2016年より「昭和のエロ」をテーマに、旧遊郭、温泉、ラブホテルなど、さまざまなロケーションやシチュエーションを模索しながら、セルフポートレート作品を発表し続けている。
会期:2023年2月7日(火)~12日(日)※全日作家在廊予定
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:11:00~19:00
休廊:月曜
入場料:500円(限定グッズプレゼント付)
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F