大阪を拠点に活動する劇団、エイチエムピー・シアターカンパニーが2021年度より始めた、〈シェイクスピアシリーズ〉。社会を鋭く考察する劇作で評価が高いくるみざわしんがシェイクスピア作品を新釈、笠井友仁が演出し、キャストは全員女性で、男性たちの権力闘争を描いた従来のシェイクスピア劇を新たな視点で改作することを目指している。
第1弾は『マクベス』をとりあげ、2021年11月に伊丹のアイホールで上演。現在が抱える問題を穿つ新しい舞台表現として評価され、令和3年度(第76回)文化庁芸術祭優秀賞を受賞した。
第2弾として取り上げるのは、シェイクスピア劇最大の冷酷非道な極悪人が主人公の暴君を描いた『リチャード三世』。背景にある社会構造や人間関係などを現代社会とリンクさせ、暴君と圧制が生まれる社会的・心理的原因を読み解き、再構築する。
今回も出演者は女性のみ、リミテッド・アニメーションを参考にした独自の身体表現も取り入れるとのことで、実験的な演出がどのような観劇体験をもたらすのか、注目される。
あらすじ
リチャードは戦争と暗殺で問題を解決する。兄にも母にも妻にも容赦なく剣を突き付けて脅し、黙らせ、時に殺す。喜んで高笑い。とんでもない暴君だ。こんな奴が王だったらたまらない。では、私達はリチャードと同様に、リチャードを殺して問題を解決するのか。それでどうなる。私達が次のリチャードになるだけではないのか。ああ困った、シェイクスピアのままではやれない。私たちは超難問の前で立ちつくす。ところが幕はあがってしまうのだ。
人生は舞台、人は役者、動き回る一瞬の影法師。さあ、目前の超難問に挑むエイチエムピー・シェイクスピアの七転八倒に御立ち合いを。
エイチエムピー・シアターカンパニー シェイクスピアシリーズⅡ
リチャード三世 馬とホモサケル日時:2023年3月11日(土)~12日(日)
3月11日(土)17:00
3月12日(日)14:00★
※受付は開演の45分前、開場は開演の30分前
※上演時間は約3時間30分程度(休憩含む)を予定
★…アフタートークあり
ゲスト:シライケイタ(劇団 温泉ドラゴン 代表)会場:近鉄アート館
原作:ウィリアム・シェイクスピア『リチャード三世』
作:くるみざわしん
演出:笠井友仁出演:髙安美帆、森田祐利栄、ナカメキョウコ、水谷有希、河上由佳、条あけみ、はたもとようこ、杉江美生、松下美波
料金:一般 前売3,000円/当日3,500円、25歳以下・障碍者 前売2,500円/当日3,000円、高校生以下 前売500円/当日1,000円
※日時指定。整理番号付。自由席
※チケット購入は公式サイトより
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43
あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階