2022年11月にこの世を去った、関西が誇る映画監督・大森一樹。彼を偲ぶ特集上映「さらば、永遠の映画少年 追悼 大森一樹」が、シネ・ヌーヴォにて2023年4月7日(金)まで開催中だ。
大森監督は、1976年に学生時代に仲間たちと制作した16ミリ作品『暗くなるまで待てない!』で、映画ファンにその名を轟かせ、翌年に商業映画デビュー作『オレンジロード急行』で映画脚本の登竜門・城戸賞を受賞。その後も、アイドル映画や超大作「ゴジラ」シリーズから、予算の大小やジャンルにとらわれない多彩な映画を生み出してきた。
また、幼い頃より長きにわたり芦屋に暮らし、1995年1月17日、阪神・淡路大震災で自身も自宅マンションで罹災。成功した映画監督が東京へ進出するなか、自宅を再建するとともに、被災した人々を映画で励ますことが終生のテーマに。1999年に震災復興施設として、シネ・ヌーヴォの姉妹館であるシネ・ピピアが宝塚に開館した際は、シネ・ヌーヴォを舞台にひと晩で百万円映画『明るくなるまでこの恋を』を撮影し、柿落とし上映に結びつけた。
本特集では、そんな大森監督の活動をたどる作品群17本を上映する。先述の『オレンジロード急行』をはじめ、吉川晃司三部作、斉藤由貴三部作といった軽快な作品、大ヒット作『ゴジラvsビオランテ』『ゴジラvsキングギドラ』に、震災1ヵ月前に六甲アイランドで撮影した『大失恋。』。また、2006年から大森が学科長を務めてきた大阪芸術大学映像学科の産学協同作として、学生や俳優とともにつくり上げた『虹の彼方のラプソディ』も特別上映する(本作は3月25日[土]のみ上映)。映画を愛した大森監督の作品を、この機会にぜひ堪能してほしい。
期間会期:2023年3月11日(土)〜4月7日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,500円、シニア1,200円、学生・会員1,100円、一般3回券3,900円、シニア3回券3,300円、会員3回券3,000円
問合:06-6582-1416
※上映スケジュールの詳細はシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
関連イベント
トークショー
日時:2023年3月25日(土)『虹の彼方のラプソディ』14:25上映回後
登壇:原田徹(映画監督/大阪芸術大学客員教授)、春岡勇二(映画評論家・大阪芸術大学客員教授)
大阪市西区九条1-20-24