日本とアメリカの両方をルーツに持ち、バレエダンサーから美術家へと転身した太田恵以さんの個展を開催します。
ある状態と状態の間(あわい)を感じるその作品は、幻覚的な作用をもたらしながら、曖昧模糊なレイヤーの向こう側の真実を包み込んでいます。
対象を認識するときに、それが別のものに見えたとしても、それを見た人にとっては見たことが感覚的な真実です。
作家はゴーストを視覚情報として炙り出しながら、どっちつかずであることを肯定し、むしろ混沌としたその状態を心地良い原風景として描き出します。
常に変容する太田恵以の描く図像が、皆様の固定観念を解き放つことを祈っています。
(gallery yolcha イルボン)「パレイドリア」は私たちが視覚刺激から、人物、動物、顔など、心に浮かび上がる幻想を見る傾向。
建物の壁に顔や、月の中にいる兎や。私が絵を描くとき、筆から無意識で出てくる色や形からは、身近な顔、 知り合い、日米それぞれで住んできた家など、
夢の中で存在するものが見えてくる。夢と現実、身体とイメージ、日本とアメリカ、日本語と英語、必ず2つの要素の「間」を漂っている場から描く。
そして、過去にバレエダンサーとして活動していた私には「身体」への意識も残っている。
バレエをやめた作家として今でも興味があるのが、描いた絵画が「身体」として、それも「動く身体」として存在できるのか。
ヨルチャでは雲を眺めるように、風と一緒に踊る絵画から鑑賞者の心に様々な残像を浮かび上がらせたい。
(太田恵以)
会期:2023年6月17日(土)〜7月9日(日)
会場:gallery yolcha
時間:13:00〜19:00(日曜のみ 12:00〜19:00)
休廊: 火〜木曜
料金:yolcha 運賃制(300円で乗車券を購入/同金額分ドリンク利用可)
大阪市北区豊崎1-1-14