風景を対象に撮影を行ない、情景が融解したような空間や、分割された画面等を描いてきた中岡。このたびの個展では「亡景の上書き」と題し、夢洲の開発現場など、現在進行形で変化していく景色をモチーフにしています。過去にも大阪北部地震にて被害を受けた近隣の家屋をモチーフに、建物が解体される現場を観察し、時間の経過から伺える複数の様相を描いた作品を発表しました。誰もが目にすることができる「風景」をモチーフにしながら、時の経過による変化を捉え、その時々の視点で捉えたものを描出して行きます。中岡は風景を描く理由を、画面上に具象と抽象の要素を無理なく置くことができるのが風景であると語っています。制約のなかでの美を追求する際に、自然と人工物が拮抗する場所は、特に中岡の興味を引く対象であり、これまでも画中での余白を巧みに扱い、時間の経緯と共に変容する(先の情景が失われる)「亡景」を見出しながら、普遍的な形や空間が抽出され、色彩と美しい余白で構成される画面のなかに、現在を生きる作家の視線を辿ります。
(プレスリリースより)
中岡真珠美 略歴
1978 京都府生まれ
2002 京都市立芸術大学美術科卒業
2004 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
2004 第19回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2015~2016 チェンマイ大学(タイ)特別講師着任受賞
第1回倉敷現代アートビエンナーレ(準グランプリ)
VOCA展2007現代美術の展望-新しい平面の作家たち(佳作賞)
第35回京都府文化賞(奨励賞)
令和3年度京都市芸術新人賞
中岡真珠美 展「亡景の上書き」
会期:2023年8月21日(月)~9月2日(土)
会場:Oギャラリーeyes
時間:11:00~19:00、土曜は~17:00
休廊:日曜
問合:06-6316-7703
大阪市北区西天満4-10-18
石之ビル3階