十三のブルームギャラリーにて、アーティスト・大坪晶の個展「風景にさわる」が開催される。
大坪は1979年兵庫県生まれ。大学で臨床心理学を学んだ後に、東京藝術大学やプラハ工芸美術大学で現代美術としての写真を学んだ。アーカイブ資料の分析と研究を背景とした作品制作を行い、写真や映像にフィクショナルな操作を加えることで、史実を寓話的な記憶として提示しようと試みている。
大阪では、2023年6月に西天満のN projectにて個展を開催。接収住宅とそこにまつわる歴史の痕跡をテーマとした「Shadow in the Houseプロジェクト」の作品群が記憶に新しい。
ブルームギャラリーでは3年ぶりの個展となる本展では、「風景」をテーマに人間の群衆の写真を重ね合わせたコラージュ作品と、映像や写真を使ったインスタレーション作品を展示する。
風景画像がランドスケープ(景観)として認識されるには、人間の記憶に結びついていることが条件になる。そもそも見たことのないものを知覚することはできないのだから。風景にまつわる記憶とは、幼い頃に手を引かれてみた情景もあれば、媒体を通じて繰り返し呈示される象徴的図像もある。よって風景をみるということは、個別の、あるいは集合的な記憶に改めて出会いなおすことではないだろうか。今回は、風景動画と、ある被写体を追いかけて撮影した画像を壁面で再構成することにより、主体と客体、知覚と想起の関係を考えることにした。
大坪晶
会期:2023年9月9日(土)〜10月28日(土)
会場:ブルームギャラリー
時間:10:30~17:00
休廊:日〜火曜
問合:06-6829-6937
オープニングレセプション
日時:9月9日(土)17:00~19:00
大阪市淀川区新北野1-11-23
ハイム北野B103