大阪を拠点に活動する公演芸術集団「dracom(ドラカン)」が、2023年1月に心斎橋のウイングフィールドで上演した『ハッピー・エンディング』のハイブリッドバージョンを、 dracomの拠点である摂津市千里丘のOPA_Lab オパラボにて発表する。
『ハッピー・エンディング』は、dracomリーダーで演出家・劇作家の筒井潤が、コロナ禍の街での気づきをもとに作・演出した作品。中国人が経営するエステ店の密室で交わされる会話をきっかけに、『オイディプス王』の台詞をつぶやき続ける俳優を志す主人公の日本人男性の現状と記憶、妄想が交錯し、現代社会の閉塞感と共に、東アジアの政治や歴史、性、宗教に関する諸問題が浮かび上がってくるという、意欲的なフィクション作品だった。
そのハイブリッドバージョンは、新たに撮影・編集したVR映像を、演出の施された会場で視聴するというもの。VR映像では内容がよりコンパクトにまとめられ、作品の設定や主人公の心象風景がユーモアを交えつつわかりやすく表現されており、+αの演出もあるという。劇場とは異なる空間で、VRの技術を使う演劇鑑賞がどのような体験をもたらすのか、注目される。
主人公ユウジの唯一の楽しみは、月に3,000円という条件の真面目さで中古レコードを買うことだった。しかしある頃から、いくつかあった行きつけの中古レコード店が次々とエステ店になっていく。彼は戸惑いつつも例の真面目さで悉く入店していく…。このような物語の演劇作品『ハッピー・エンディング』を元にして新たに撮影・編集したVRの作品にするのですから、いろいろと想像されることでしょう。その期待にどう応え、そして裏切るかを楽しんでいただけたらと思います。
演劇版の初演を終えてからハイブリッドバージョンの創作を始めるまでの間にひとつわかったことがあります。正しくは、当然知っていたしあまりにも当たり前だけれども、改めて深く理解した、となるでしょうか。「東アジアに、アダムとイブはいなかった」。dracom リーダー 筒井潤
dracom 『ハッピー・エンディング』ハイブリッドバージョン
日程:2023年10月20日(金)〜10月22日(日)、 2023年 12月29日(金)〜12月31日(日)、 2024年 2月9日(金)〜2月11日(日)
会場:OPA_Lab
時間:金曜日 19:00〜、土曜日・日曜日 12:30〜
※所要時間は最大60分の予定作・演出・映像:筒井潤
出演:
イトヲ、稲葉俊、岡村ゆきを、髙山玲子、出井友加里、松岡美樹(以上、dracom登録メンバー)
小野毅、新免わこ料金:
基本コース(30分VR視聴+α ): 3,000円
お楽しみコース(40分VR視聴+α):4,000円
おすすめVIPコース(50分VR視聴+α): 5,000円
※当日にコースの変更は可能。
※要予約。コースの詳細、予約方法は公式サイト参照問合:dracom 制作部 info@dracom-pag.org 090-3949-8425
摂津市千里丘1-13-28
千里丘ビル 4階