2023年10月12日(木)から15日(日)まで、一心寺シアター倶楽を会場に、清流劇場による『台所のエレクトラ』が上演される。海外戯曲の翻訳上演やギリシア古典劇の上演などを行う同団は、近年大阪弁による作品の現代的な解釈・演出に取り組んでいる。本作も古代アテナイのギリシア三大悲劇詩人、エウリピデスの『エレクトラ』を原作としたもので、キャッチコピーは 「ずっと生きてた。誰の目にも止まらんかったけど。」「一緒におってくれたら、なに食べてもおいしかったのに。」だ。
王家の娘エレクトラは母とその愛人に父を暗殺され、王位についた愛人の手はずで、王宮を追い出され貧しい農夫のもとに嫁いだ。その後、時は流れ、亡命した弟オレステスが帰国し、エレクトラが暮らす田舎のあばら屋に立ち寄る。しかし、貧乏所帯のため客の接待どころではなく、オレステスは老僕の協力を得てささやかな食材を揃えた。それは再会により成し得た、貧しくも嬉しい姉弟ふたりの食卓だ。やがてオレステスは父の仇を討つため、母の愛人のもとへ向かう。そして、エレクトラも知恵を絞り、母が自らを訪ねてくるよう嘘の知らせを送って——。
いわゆる復讐劇だが、原作に食事の場面はない。あえてそうした暮らしを象徴する情景を劇に表したのは、エウリピデスの晩年の作品傾向に「日常性志向」が見られるからだという。「ふつうの人間が持ってる『ねたみ』や『ずるさ』、また反対に『思いやり』や『正義感』。そんな矛盾する感情がごちゃ混ぜになってるのが人間で、エウリピデスはそういう『人間のありのままの姿』を描こうとしました。」 と、清流劇場代表の田中孝弥は本作への想いを綴っている。
各公演では、開演15分前から田中によるビフォアトーク(前説)も。芝居にまつわる解説に耳を傾けながら、作品の世界に潜り込んでみてほしい。
日時:
2023年
10月12日(木)19:00
10月13日(金)14:00/19:00
10月14日(土)14:00(終演後、アフタートークあり)
10月15日(土)14:00
※各回、開演15分前から清流劇場代表の田中孝弥による《ビフォアトーク》を実施
※開演45分前より受付開始、開場は開演の30分前
会場:一心寺シアター倶楽料金:日時指定・全席指定席 一般前売券4,500円、当日券4,800円、ペアチケット8,400円、U-22券2,500円(22歳以下の方対象。当日受付にて要証明書提示)、シニア券4,200円(65歳以上の方対象。当日受付にて要証明書提示)
※チケットはPass Market(クレジット決済/PayPay利用の場合)から購入可能。または、清流劇場Webサイトのコンタクトフォームへ必要事項を連絡の上、案内に沿って要手続き
※小学生以下の入場は不可問合:清流劇場Webサイトのコンタクトフォームより要問い合わせ
大阪市天王寺区逢阪2-6-13 B1F