約百年前の大阪では多くの女性日本画家が活躍しました。大正元年(1912)に島成園(しま・せいえん)が20歳で文展に入選すると、その成功に触発された木谷千種(きたに・ちぐさ)や生田花朝(いくた・かちょう)なども官展に入選を重ねます。また、美人画や歴史風俗画に加えて、江戸時代から大阪に興隆した南画(文人画)の分野においても、河邊青蘭(かわべ・せいらん)や融紅鸞(とおる・こうらん)などが実力を発揮しました。成功を収めた女性画家は、自らの画業を追求するにとどまらず、後進の女性を育成するため画塾を開きます。門下生たちも師に続いて公募展や塾展に挑み、大阪の女性画家の裾野はさらに広がりました。当時の美術界は、東京と京都がその中枢を担い、制作者は男性が大多数を占めていましたが、女性日本画家の活躍において大阪は他都市と肩を並べており、その存在は近代大阪の文化における大きな特色のひとつとなりました。
本展では、「島成園と浪華の女性画家」展(2006年)の開催を端緒とする調査研究に、近年の新たな成果を加えて、全国的にも注目を集めた50名を超える近代大阪の女性日本画家の活動を約150点の作品と関連資料でご紹介します。お稽古事や趣味にとどまらず、画家として社会的な成功を夢見た女性たちを育んだ、大阪という都市の文化的な土壌についても考える機会とします。
(Webサイトより)
会期:2023年12月23日(土) ~2024年2月25日(日)
(前期:12月23日(土) ~2024年1月21日(日)、後期:1月23日(火)~2月25日(日))会場:大阪中之島美術館 4階展示室
時間:10:00 ~17:00(入場は16:30まで)
※2月10日~2月25日の期間は10:00~18:00(入場は17:30まで)料金:一般 1800円(前売・団体 1600円)、高大生 1000円(前売・団体 800円)、中学生以下 無料
休館:月曜(1月8日、2月12日を除く)、12月31日(土)、1月1日(月)