“ろう”の写真家・齋藤陽道が、息子の育児を通し、嫌いだった「うた」と出会うまでを記録した河合宏樹監督によるドキュメンタリー映画『うたのはじまり』が、3月28日(土)よりシネ・ヌーヴォにて公開される。
20歳で補聴器を外し、写真表現に向き合いはじめた齋藤は、妻である“ろう”の写真家・盛山麻奈美との間に“聴者”の息子を授かった。幼い頃から対話の難しさや音楽教育への疑問に直面し、「うた」を嫌いになってしまった彼だが、ふと子守唄を口ずさんだことをきっかけに変化が起こる。無意識に現れた「うた」は一体どこから来たのか。「うた」が立ち上がる瞬間、「うた」のあり方に迫る作品。
齋藤陽道(さいとう・はるみち)
1983年東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。2010年に第33回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。2013年にワタリウム美術館にて大規模個展「宝箱」を、2015年に3331ArtsChiyodaで「なにものか」を開催。主な写真集・著作に『感動』『宝箱』『写訳 春と修羅』などがあり、2018年に『声めぐり』『異なり記念日』を同時刊行、2019年に写真集『感動、』を発表。2019年11月30日〜2020年1月26日に開催された東京都写真美術館主催のグループ展「日本の新進作家 vol.16 至近距離の宇宙」にも参加。
河合宏樹(かわい・ひろき)
学生時代より自主映画を制作。震災後はミュージシャン、パフォーマーなど表現者に焦点を当てて撮影を続け、記録映像に留まらない「映像作品」をアーカイヴ。時にはドキュメンタリーとして作品化。2014年に古川日出男、管啓次郎、小島ケイタニーラブ、柴田元幸が震災後、被災地を中心に上演した朗読劇「銀河鉄道の夜」の活動を二年にわたり迫った初のドキュメンタリー映画『ほんとうのうた』を発表。2016年に七尾旅人が戦死自衛官に扮した初のライブ映像作品『兵士』を監督。2017年には飴屋法水と山下澄人の初タッグになる作品『コルバトントリ、』の公演を映像化している。制作チームでの名義は「Pool Side Nagaya」。
劇場公開によせて 河合宏樹監督からのメッセージ
赤子をあやす為に彼からぽろっと溢れたうた、その瞬間にすべては語られた。歌が祈りに戻った瞬間。うた、音楽、の本来の役割とは何だったのか。齋藤陽道と共に考えた数年間。誰しもが持つ歌心に対して、または、現在の音楽との接し方について、今一度、その根元を思い出して欲しいと思いこの映画を制作しました。
(『うたのはじまり』公式サイトより引用)
日時:
2020年3月28日(土)〜4月3日(金)11:00
2020年4月4日(土)20:10
2020年4月5日(日)〜8日(水)18:30
〜10日(金)18:30※新型コロナウイルスの影響により、4月9日(木)〜5月6日(水)まで休館
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:一般1,800円、学生・シニア1,100円、会員1,000円
問合:06-6582-1416
※水曜・金曜・日曜日は絵字幕付き上映
舞台挨拶
日時:3月28日(土)11:00の回上映後
ゲスト:河合宏樹※中止
日時:4月4日(土)20:10の回上映後
ゲスト:齋藤陽道※中止