描きはじめる過程はいくつかある。
イメージが徐々にではなく全体がうかび描く。目の前の光景に反応し視覚から衝動が起きて描く。何を描くか思考して描く。とりあえず描きだし、描いたものから連想し描く。
きっかけは様々だ。本展では言葉をきっかけに描きだし制作した作品が並ぶ。誘惑という言葉から誘惑の絵を描くといった具合に。言葉はこれまで書きとめていたものが主である。
「ほらみろまた欲に支配されている」
「諸君愛を奏でようじゃないか」
「音楽には敵わないんよ」
「天使、悪魔のようなものはもちあわせていて 誰しもみんな優しく 最高で 最低でしょ」
「セックスはタバコのようなもの という言動にぞっとする そして はっとする」
「飾るため摘まれ 大地に根をのばすことも 空の下に戻ることももうないだろう でも咲かせてくれたのも彼女だ」
「遊ばなきゃ駄目だ ループしてちゃいけない さあ冒険だ」言葉をきっかけに描きだし、そのまま描き終える事もあるけれど、言葉から随分と離れていく事もある。それはそれでかまわない、そんなもんさ。と、はじまることもあるのだから。
ー 阿野 義知
阿野義知 個展「阿野展」
presented by Pulp会期:2024年8月31日(土)〜9月16日(月・祝)
会場:POL
時間:月・金曜 13:00〜18:00、土・日・祝 12:00〜19:00
休業:9月4日(水)、5日(木)、12日(木)、13日(金)
作家Instagram:@yoshitomo_ano
大阪市中央区谷町6-18-29 2F