1968年に茨木市で始まった「現代美術-茨木」は、茨木市と特集作家経験者等で構成される茨木現代美術展実行委員会が主催する、無審査・自由出品のアンデパンダン形式による公募展だ。1981年からは現代作家を招待する特集作家部門が設けられ、毎年2〜4名の作家の作品を紹介している。
2024年1月に開催された50回記念展を経て、今回から会場が2023年にオープンした「文化・子育て複合施設 おにクル」へと移転。またアンデパンダン展の公募部門については完全事前申込制に変更となった。2024年12月11日まで出品申込を受け付けている。
今年の特集作家は、池上恵一と岩間一真。
私の貴方の、そのカラダの由来と出来栄えを想う時、同時に或る忌々しさも血管を回流する。自律から解放された途端の脆さ危うさとも含めて、我らが体内は常に闘争中だ。さて池上さんが芸術表現の扉をノックした時に向こう側に見えた景色とは何だったのだろうか。病弱だった少年は両親によって食養法による再生を施され、その後の表現者として精神と肉体の各々のフィルターの往来と事跡をここに示す。それは指から皮膚への挨拶に始まり、人間という構造物に緩やかに干渉しながら肉体に潜む精神のほつれや絡んだ機微を表出させていく。
岩間さんの絵を最初に見たのは日下部美術教室の作品展だった. 感嘆と羨望とが交互に寄せては返すのリピート。子どもたちの絵についての常套句であり禁句でもある”大人顔負け”の正体不明の判定基準なんかどうでも良いほどに岩間さんは絵を描く自身に対して精悍に挑むし、正直だし、掴み取る対象への触手の伸ばし方、落とし込み方全てが”描く今”をほとばしらせて痛快だ。それは天衣無縫自由奔放とも違うところの描き手のリビドーとも言えて改めて嫉妬する。彼の絵画地平を目指してずっと見続けていたいと思う同じ歳の孫を持つ私である。
(ナミキ・キヨタカ[2023年度特集作家])
会期:2025年1月20日(月)〜26日(日)
会場:茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」1階きたしんホール、オープンギャラリー
時間:9:00~21:00(※最終日は17:00まで)
料金:観覧無料
特集作家:池上恵一、岩間一真
公募部門(アンデパンダン)
出品規定:平面 ・立体・インスタレーション・映像等、表現形式を問わない/1人1点 (組作品可)/壁面展示は縦 1,000 × 横 1,000(㎜) 以内
搬入:2025年1月19日(日)13:00〜17:00 ※会場に直接搬入・展示/事前申込制
搬出:2025年1月26日(日)17:00〜19:00
費用:1,000円(当日受付にてお支払い)
申込:2024年12月11日(水)までに、専用フォームから申込関連プログラム
■特集作家 池上恵一によるワークショップ「凝りのぼり」をつくろう!
手に絵の具をつけ、からだに被せた布の上からペアでマッサージ。目に見えない「からだの凝り」が浮かび上がると、どんなカタチになるかな?
日時:1月19日(日)10:30~12:00
場所:おにクル2階 多目的室C1
定員:10組20名(先着・事前申込制)※1人でも参加OK。ペアになってワーク
料金:参加無料
服装:動きやすく、汚れてもよい格好
申込:専用フォームから事前申込 ※定員に達し次第、締切■特集作家 岩間一真によるライブペイント
会期中、おにクルのガラス扉をキャンバスにがわりにしてライブペイントを行う。
日時:1月19日(日)10:30頃から ※完成次第終了
場所:おにクル1階 北側ガラス扉
※完成した作品は会期中展示■特集作家によるトークイベント
日時:1月26日(日)15:00~16:30
場所:おにクル1階 きたしんホール
司会:仲摩洋一(茨木現代美術展実行委員長)
登壇:池上恵一、岩間一真、ナミキ・キヨタカ(2023年度特集作家)
料金:参加無料 ※申込不要
茨木市駅前3-9-45