
株式会社ロフトワークが運営するクリエイティブ・コミュニティ「FabCafe Osaka」が、2025年4月29日(火・祝)に天満にオープンする。
FabCafeは、カフェに3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを備えた拠点。2012年に東京・渋谷に誕生して以降、日本国内のみならず世界各地に開設され、各地域のクリエイターやアーティスト、企業とともに、その地域ならではのものづくりや素材、テクノロジーを活かした多彩なプロジェクトを展開している。
今回開設されるFabCafe Osakaのコンセプトは「L’Informe(アンフォルム)」。形式に縛られない美しさを追求する近代から現代の美術思想「アンフォルム」を取り入れた体験を提案する。そのためのツールとして蒸留器を導入し、香りを活用したドリンクや、感覚を刺激する体験を提供する予定だ。

元自動車整備工場を活用したスペースの空間デザインは、デザインプロジェクト「elements」や東横堀川沿いのパブリックスペース「β本町橋」などを手がける井上真彦(Marginalio Inc.)が担当。内装の木材に、一本ごとに異なる曲がりやねじれを持つ広葉樹を用いたり、壁の吹き付け仕上げの材料として淀川の土(浄水発生土)を活用するなど、「アンフォルム」の思想を体現する設計となっている。
4月21日〜27日のプレオープンを経てグランドオープンした後は、蒸留器を活用したドリンクのワークショップや、五感を刺激する食に関するイベント、人々が交流できるイベントを予定している。会社や立ち位置の違いを越えて「クリエイティブ界隈のキャリアデザイン試行論」を語り合う「喫茶シランケド」や、AI時代における人間の感性や創造性の重要性を問いかけ、自然と文化をテーマに掲げる「Aru Society(アル・ソサイエティ)」など、ロフトワークが手がける他の企画の開催も計画されている。
「蒸留」をキーエレメントとして、集う人々の中からどのような発想やアイディアが生まれるのか、今後の展開が楽しみだ。

FabCafe Osaka 事業責任者よりメッセージ
「アンフォルム」を現代の街に持ち込む意義
現代において、私たちは無意識のうちに固定された形式に縛られています。そんな中で、どのように「アンフォルム(L’Informe)」という概念を持ち込み、新たな視点を生み出せるのか。それが、街づくりに関わる機会が増えたロフトワークにとっての重要な問いです。
私たちは、対象とする街のどこにまなざしを向け、何を大切にし、どんな新しい価値を持ち込むのか。この選択こそが、クリエイティブの力を発揮できる場面だと考えています。
大阪は、古くから品格を持ち、民間の力によって文化やインフラを発展させてきた街です。自らの手で大阪の文化をより良くしようとする精神が、街の成長を支えてきました。私たちは、この「品格と知性にあふれる大阪」というあり方を大切にしながら、現代において必要な「アンフォルム」をFabCafe Osakaで探求していきます。
ロフトワーク プロデューサー/FabCafe Osaka 事業責任者
小島 和人(ハモ)
所在地:大阪市北区天神橋2-2-4
敷地面積:111.74m²
席数:48席出店予定日:2025年4月29日(予定)
※4月21日(月)〜27日(日)プレオープン
4月21日(月)〜23日(水) 11:00〜15:00
4月24日(木)〜26日(土) 17:00〜21:00
4月27日(日) 11:00〜21:00
大阪市北区天神橋2-2−4