
2025年6月10日から22日まで、心斎橋の写真専門ギャラリー「ソラリス」の企画展として、大和田良の写真展「FLORA/ECHO」が開催される。
大和田は1978年仙台市生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。
ソラリスでは4年ぶり2回目の個展となる今回は、海外を中心に制作と発表が行われている比較的新しいオルタナティブ写真技法<ルーメンプリント>の実践と研究を通じて制作された作品を発表する。
ルーメンプリントは、従来の銀塩印画紙を太陽光やUV露光機を用いて像を焼き付けることによって、多様な色再現が生み出せる技法。現像工程を必要とせず、定着処理のみで像を固定する方法であり、期限切れの印画紙を用いることもできるが、使用する印画紙の種類や製造年、保存状態によって結果が左右され、同じプリントを制作することが困難とされている。大和田は研究を進める中で集めた1980年代の印画紙など、さまざまな写真感光材料を用いて制作を行った。
本展では、2024年の約1年間に大和田がプリントした500枚以上の中から厳選した約17点を展示・販売する。
また会場では、展覧会にあわせて刊行された同タイトルの写真集(発行: Kesa Publishing)も販売。同書には日本写真芸術学会誌で発表したルーメンプリントに関する研究報告も収録されているほか、Agfa MCP321でプリントしたオリジナルプリントが付く。
アーティスト・ステートメント
「花」を含む植物の形態をモチーフとした像の記録と表現は、写真が発明された最初期から多くの写真家によって試みられてきました。その点で、植物の姿を印画することは、写真における原始であるとも言えるでしょう。現代のオルタナティブ技法であるルーメンプリントと組み合わせることで、植物写真の文脈から、拡張し続ける写真表現の今についても考えられるのではないかと思います。今回使用した印画紙には、数十年前に製造された印画紙も含まれます。写真というものが描く像の魅力にも、新たな視点から触れていただける貴重な機会となるはずです。是非多くの方にご覧いただければと思います。
− 大和田良
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大和田良 プロフィール
写真家。1978年仙台市生まれ。
東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。2005年、スイスエリゼ美術館による「ReGeneration. 50 Photographers of Tomorrow」に選出され、以降国内外で作品を多数発表。
著書に『prism』(2007年/青幻舎)、『五百羅漢』(2020年/天恩山五百羅漢寺)、『宣言下日誌』(2021年/kesa publishing)、『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(2022年/インプレス)、詩人のクリス・モズデルとの共著『Behind the Mask』(2023年/スローガン)他多数。2011年日本写真協会賞新人賞受賞。
現在、東京工芸大学芸術学部准教授。
会期:2025年6月10日(火)〜22日(日)
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:11:00〜19:00 ※最終日のみ18:00まで
休廊:6月16日(月)
会期中イベント
大和田良ギャラリートーク+オープニングレセプション
日時:6月14日(土)18:00〜20:00 ※トークは1時間程度を予定
料金:2,000円(税込)
定員:15名
※予約はこちら協力:Roll
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F