
大阪芸術大学では、収集した芸術資料をはじめとする所蔵作品を広く社会に公開することを目的として、2002年に「大阪芸術大学博物館」を学内に開設。年2〜3回開催する所蔵品展にて展示している。
2025年6月23日からは、「Around EXPO’70 ―当時の大阪芸術大学と日本万国博覧会―」を開催。開催中の「大阪・関西万博」を契機に、1970年に千里丘陵で開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」と当時の同大学の動向およびその関係を、多岐にわたる分野からセレクトした所蔵品などから紹介する。
1970年頃の本学は、1964年に大阪府河南町に開学してまだ10年に満たない時期でした。南河内ののどかな丘陵地に次々と新しい校舎が建てられ、キャンパスが拡張していくと共に、新しい学科も次々と立ち上げていました。同時に、様々な芸術文化領域の第一線で活躍していた多くの作家・専門家・研究者などを教員に招聘して、現在の本学の基盤が形成された時期でもありました。
そんな本学の黎明期と時を重ねて、同じ大阪で1970年に開催された日本万国博覧会では、複数名の本学教員が各々の専門性を生かして、その現場に深く参画していました。第二次世界大戦の終戦から25年が経過したこの機に開催された当時の万博は、「戦後」のイメージを払拭して、世界規模で直面する課題と未来への展望を日本から提示し、世界へ発信することを志向していました。さらに、当時も漂っていた東京一極集中の風潮の中で、大阪の存在意義を国内外に示す狙いがあった万博の開催と、大阪の新進の総合芸術大学として急成長し、個性的な芸術教育の実践を積極的に発信しようとしていた本学の動きは、偶然ながらも重なるように思えます。
本展では、1970年の大阪万博に関わった教員5名の作品や、彼らの万博との関わりを示す資料をはじめ、万博会場で展示・使用された後に本学が保管している作品や資料、さらに当時の本学で教鞭をとっていた教員14名の主に同時期に制作・発表した作品などをあわせて公開します。当時と現在では、社会をとりまく環境や価値観の違いは随所にありますが、約半世紀前の本学と大阪万博の動向に触れて、いま大阪で開催中の万博と本学のそれぞれの現状やこれからの展望に、思いを巡らせる機会となれば幸いです。
出品内容
・大阪万博に参画した教員の中から、中村 真、早川 良雄、田中 健三、大高 猛、小松 左京の作品や資料
・当時(1970年頃)の大阪芸術大学で教鞭を執った教員の中から、松井 正、津高 和一、泉 茂、舩井 裕、持田 総章、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン、西脇 友一、高橋 靗一、岩宮 武二、本野 東一、林 康夫、柳原 睦夫、田中 照三、佐々木 侃司の作品や資料
・大阪万博の会場で実際に展示・使用された後に、本学が保管している作品・機材や関連する資料(お祭り広場のメインコントロールルームで使用されていたテープレコーダーなど)合計 約80点
(プレスリリースより)
令和7年度 大阪芸術大学所蔵品展
Around EXPO’70 ―当時の大阪芸術大学と日本万国博覧会―会期:2025年6月23日(月)~7月9日(水)
会場:大阪芸術大学 芸術情報センター 展示ホール
時間:11:00~18:00
休館:日曜
料金:入場無料
問合:大阪芸術大学博物館 museum@osaka-geidai.ac.jp
南河内郡河南町東山469
※アクセス:近鉄南大阪線「大阪阿部野橋」駅より「河内長野」行き準急に乗車、「喜志」駅下車。 「喜志」駅前より大阪芸術大学スクールバス(随時運行)、または4市町村コミバス(「近つ飛鳥博物館前」行きに乗車、「東山」停留所下車)を利用