
アーティストコレクティブ・城下浩伺&みふくによる「空間へのドローイング」展が、2025年4月にオープンした南森町のFabCafe Osakaにて開催される。
城下浩伺&みふくは、美術とテクノロジーの融合を通じて視覚芸術の未来を拓くことを目的に、2023年に結成。京都を拠点に活動している。
《空間へのドローイング》では、城下がドローイングを担当。VR機器をメディウムとして扱い、空間を支持体として描くことで、平面に閉じ込められた「描く」行為に新しい身体性と立体性をもたらす。みふくは描かれたドローイングを再構成し、XR作品として立ち上げる役割を担っている。
2025年には、グローバルXRクリエイティブアワード「NEWVIEW AWARDS 2024」で審査員長・宇川直宏賞を受賞した。
本展の会場であるFabCafe Osakaは、 元・自動車整備工場。建築家・井上真彦が〈痕跡を消さずに残す〉設計で再生した空間だ。
城下浩伺&みふくは、改装前にこの場所でXRドローイングを制作。残された油染みや錆びの手触りをリアル空間で感じつつ、データ化されたテクスチャと環境音が重なり合い、都市の記憶が新しい物語として立ち上がるような作品を生み出した。
来場者は、VRヘッドセット越しに過去の痕跡と現在の光景を自由に行き来し、“時間のレイヤーを歩く” 体験をすることができる。
空間へのドローイング:FabCafe Osaka 制作の背景
2025年4月にオープンしたFabCafe Osakaの店舗は、かつて自動車整備工場として使用されてきた空間でした。
城下浩伺&みふくは2024年12月、改装工事着手前の現場にて、VR機器をメディウムとし、空間そのものを支持体としてドローイングを描く《空間へのドローイング》の制作を開始しました。
描き上げられた3Dドローイングには、自動車整備作業のための地下ピットなどの建築的特徴が現れています。さらに、摩耗したコンクリートの床や塗料が蓄積した手洗い場、錆の残るシャッターなどの物質的痕跡や、場内外で収録した環境音などの聴覚的痕跡が、ドローイングのテクスチャとして与えられました。
また、大阪がかつて何度も海の底に沈みながら、水都としての歴史を歩んできた事も本作のインスピレーションの一つとなり、AIによって再現された数万年前の淀川の風景を素材として取り込んでいます。
VRゴーグルを通してのみ知覚可能な非物質的イメージとして生まれた3Dドローイングが、複層的な「場所の記憶」をマチエールとして獲得することで、絵画としての実在感をいかに形成しうるかを問いかけます。
会期:2025年6月14日(土)〜29日(日)※会期中無休
会場:FabCafe Osaka
時間:11:00〜21:00
料金:ARアプリでの作品観覧は無料
VR鑑賞体験
VRゴーグル(Apple Vision Pro)を着けて、FabCafeOsakaの空間に出現した「空間へのドローイング」の中を歩き回って鑑賞。
日程:6月15日(日)、22日(日)、29日(日)
時間:13:00 / 13:30 / 14:00 / 14:30/ 16:00 / 16:30 / 17:00 / 17:30/ 19:00 / 19:30 / 20:00 / 20:30 ※各回1名
料金:2,000円(税込・ドリンク付) ※要予約
※対象年齢13歳以上
※メガネ着用者には、度数調整が可能な専用レンズ〈VOY Tunable VR Inserts〉を用意
予約:https://timerex.net/s/fabcafe.osaka_02c7/8f8d4943/ワークショップ
VRゴーグルを着けて、空間をキャンバスに、コントローラーを筆代わりにして「空間へのドローイング」を描いてみましょう。 描いたドローイングはアプリを使って好きな場所に出没させる事ができます。
日時:6月21日(土)14:00〜16:00
定員:6名
料金:2,000円(税込・ドリンク付) ※要予約
※対象年齢7歳以上
予約:https://timerex.net/s/fabcafe.osaka_02c7/7a2c1cc3/トークセッション
城下浩伺&みふく、FabCafe Osakaの内装デザインを手がけた建築家・井上真彦(Marginalio Inc.)、FabCafe Osaka事業責任者・小島和人ハモニズムが、持続的な空間価値と創造性の発火点について語り合う。
日時:6月27日(金)19:00〜
料金:1,000円(税込・ドリンク付)
定員:50名 ※予約優先
予約:https://peatix.com/sales/event/4436066/tickets
大阪市北区天神橋2-2-4