
大阪を拠点に活動する音楽家・日野浩志郎による新作『Chronograffiti』が、2025年7月25日(金)〜27日(日)の3日間、北加賀屋のクリエイティブセンター大阪にて上演される。
本作は、ドイツのMoers Festivalの委嘱により制作されたもので、2025年6月に同フェスティバルにて世界初演。本公演は日本初演となる。
演奏は、元・鼓童の前田剛史、日本管打楽器コンクール第1位の安藤巴、そして日野作品に継続的に参加している谷口かんなの3名のパーカッショニストによるリズムアンサンブル。
日野は自身のバンド「goat」や、太鼓芸能集団 鼓童との協働を通して、独自のリズム作曲法を発展させてきた。本作ではボンゴやスネアといった最小限の楽器を用い、陶酔的なミニマリズムから身体的・精神的な高揚を引き出す作曲を試みている。
加えて、The SINE WAVE ORCHESTRAやDumb Typeで知られる古舘健よるヴィジュアルエフェクトを導入し、通常では感知されない演奏者の動きや楽器の振動を表出させる。
タイトルの「Chronograffiti」は、“時間”を意味する接頭辞「Chrono」と、“落書き”を意味する「Graffiti」を組み合わせた造語であり、時間と身体が空間に描き出す一種の残像=視覚的落書きを象徴している。
作曲:日野浩志郎
音楽家、作曲家。1985年生まれ、島根県出身。現在は大阪を拠点に活動。メロディ楽器も打楽器として使い、複数拍子を組み合わせた作曲などをバンド編成で試みる「goat」や、そのノイズ/ハードコア的解釈のバンド「bonanzas」、電子音楽ソロプロジェクト「YPY」などを行っており、そのアウトプットの方向性はダンスミュージックや前衛的コラージュ/ノイズと多岐に渡る。これまでの主な作曲作品は、クラシック楽器や 電子音を融合させたハイブリッドオーケストラ「Virginal Variations」(2016)、多数のスピーカーや移動する演奏者を混じえた全身聴覚ライブ「GEIST(ガイスト)」(2018-)の他、サウンドアーティストFUJI|||||||||||TAと共に作曲・演奏した作品「INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada」(2021-)、古舘健や藤田正嘉らと共に作曲した「Phase Transition」(2023)、等。佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団 鼓童とは2019年以降コラボレーションを重ねており、中でも延べ1ヶ月に及ぶ佐渡島での滞在制作で映像化した音楽映画「戦慄せしめよ/Shiver」(2021、監督 豊田利晃)では全編の作曲を日野が担当し、その演奏を鼓童が行った。音楽家・演出家のカジワラトシオと舞踊家・振付家の東野祥子によって設立されたANTIBODIES Collectiveに所属する他、振付師Cindy Van Acker「Without References」、映画「The Invisible Fighit」(2024年公開、監督Rainer Sarnet)等の音楽制作を行う。エストニアフィルムアワードEFTA2024にて映画「The Invisible Fighit」の最優秀作曲賞を受賞。出演:安藤巴
1997年6月14日生まれ、千葉県柏市出身。音楽家、打楽器奏者。幼い頃よりピアノ、ドラムを始め、13歳から作曲を、その後本格的に打楽器を学び、東京藝術大学打楽器専攻に入学。卒業後はフリーの打楽器奏者として全国のオーケストラへの客演を中心に、現代アンサンブルへの参加、独奏の機会も多い。さらに近年は身の回りのものや打楽器を用いた自分自身の表現を模索しており、即興演奏、楽曲制作、ライブ活動も増えている。現代音楽演奏コンクール「競楽」本選出場。第22回日本管打楽器コンクールにてパーカッション部門第1位。打楽器トリオ「トリオ・ループ」、即興音楽集団「LA SEÑAS」のメンバー、「隈研吾建築展 -五感的建築-」の場内音楽を作曲および演奏。神奈川県立音楽堂「紅葉坂プロジェクトvol.2 」NHK FM「リサイタル・パッシオ」など出演多数。 作曲を啼鵬、松本望各氏に、打楽器を竹島悟史、藤本隆文各氏に師事。 (株)こおろぎ社 neoria 契約アーティスト。BONNEY DRUM JAPANエンドーサー。出演:谷口かんな
1993年生まれ、京都市出身。6歳よりピアノを、本格的な打楽器の習得を13歳より開始し、京都市立京都堀川音楽高校、京都市立芸術大学の打楽器科を卒業。大学在学時から、美術家、アーティスト、ダンサー等と共演、即興演奏の経験を積む。
卒業後はフリーランスの音楽家として室内楽や、新曲初演を中心に活動。
卒業後も継続して他分野との即興演奏に力を注ぎ、各地で様々なアーティストと表現を行う。近年はヴィブラフォンでの演奏活動に最も注力している。ソリストとして、東京フィルハーモニー交響楽団、京都室内合奏団と共演。
京都芸術センターと共催の《谷口かんなファーストソロリサイタル「vib.」》(2023年)では5曲の委嘱初演を成功させ、会場は満員の盛況。各方面から好評を得る。2025年7月11日には、京都・紫明会館にて「谷口かんなヴィブラフォンソロリサイタルvol.2 Memories」を開催予定。
日野浩志郎氏の作曲作品では、「Phase Transition」(2023)、「歌と逆に。歌に。」(2024)に出演。出演:前田剛史
阪神淡路大震災の復興活動の一環で幼少期より和太鼓に親しみ、2008年より「太鼓芸能集団鼓童」入団。約10年間在籍し年間100公演を超える国内外のツアーに参加。鼓童在籍中は太鼓演奏、唄、笛、鳴り物、踊りを担当。その他、作曲や舞台演出もこなし「佐渡国際芸術祭アースセレブレーション」、鼓童における全国の「学校公演」、特別演出公演「若い夏」など、多数の舞台演出を手掛ける。また歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎と「アマテラス」「幽玄」で共演。国内ではその他にもヴァイオリニストの川井郁子や、演歌歌手の坂本冬美、アーティストのAI(アイ)、音楽家/映像作家の高木正勝などその他にも多数の国内外のアーティストとの共演実績がある。2017年に鼓童独立後、現在はソリストとしてこれまでの経験を活かし独自の音楽性、演奏表現を追求している。ビジュアルエフェクト:古舘健
アーティスト、エンジニア、ミュージシャン、DJ。コンピューターとプログラミングを軸に、音響、映像、エレクトロニクス、テキスタイルなど多様なメディアや分野で活動。2002年、参加型サウンドアートプロジェクト「The SINE WAVE ORCHESTRA」を共同設立。2013年よりDumb Typeのメンバー。2015年からは、アルゴリズムを活用し複雑なテキスタイルを制作するプロジェクト「Quasicrystal」を設立。2018年、サウンドインスタレーション『Pulses/Grains/Phase/Moiré』で第22回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞。2022年、Dumb Typeの一員としてベネチアビエンナーレ日本館で個展を開催。日野浩志郎とは、2021年「Geist」よりコラボレーションを開始。以降、「Phase Transition / So-Ten-I」「Chronograffiti」。多様な表現方法を通じて、各メディアの特性を際立たせる作品を制作している。
日時:
2025年7月25日(金)19:30開演
2025年7月26日(土)14:30開演/19:30開演
2025年7月27日(日)14:30開演
※開場は各開演の30分前、上演時間は80分予定会場:クリエイティブセンター大阪内 Black Chamber
料金:一般 3,500円、U25 2,500円、当日 4,000円
チケット購入:ZAIKOイベントページにて作曲:日野浩志郎
出演:安藤巴、谷口かんな、前田剛史
ビジュアルエフェクト:古舘 健舞台監督:小林勇陽
記録写真:井上嘉和
宣伝美術:真壁昂士
制作:伴朱音主催:株式会社鳥友会
共催:一般財団法人 おおさか創造千島財団「KCVセレクション」
助成:アーツサポート関西
大阪市住之江区北加賀屋4-1-55