
大阪を拠点に活動しているアートハブ・TRA-TRAVELは、2021年から、公共および民間のアートオーガナイゼーションと共に企画するアーティスト・イン・レジデンス「AIRΔ」を大阪で実施してきた。
AIRΔ vol.16では、2024年6月から信楽の陶芸の森で1年間のレジデンスプログラムに参加しているミャンマー人アーティスト、ソー・ユ・ノウェを、名古屋のseasunと大阪に招く巡回型レジデンスプログラムを実施する。
ノウェは日本滞在中に、訪れた場所からインスピレーションを得て、身体は精神を宿す家であるという概念を軸に、自己を象徴する彫刻作品を多く制作した。内臓や骨格といった身体のモチーフを植物的な様相へと変化させる彼女の作品は、聖なる空間と女性のアイデンティティをテーマとしている。
トークイベントでは、彼女が作品を通して探求しているテーマや、各プロジェクトで起こる変容について語る。
ミャンマーに移住した中国系三世のノウェは、アニミズム的な信仰や民間伝承からインスピレーションを得て制作の根源となる思想を育んできた。本イベントは、そんな彼女が日本での滞在で何に影響を受けたのかを深く知る貴重な機会となるだろう。

アーティスト
ソー・ユ・ノウェ|Soe Yu Nwe
ソー・ユ・ノウェ(1989年生まれ)はミャンマー出身のアーティスト。2015年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインで陶芸の修士号を取得後、アメリカやアジア各地で数々のレジデンスに参加しています。自然や身体を詩的に描き出すことで、自身の感情の風景を変容させ、急速に変化するグローバル社会における個人のアイデンティティの複雑さを考察した作品制作を行っています。主な展覧会には、第9回アジア・パシフィック現代美術トリエンナーレ(オーストラリア)、2018年ダッカ・アート・サミット(バングラデシュ)、新北市鶯歌陶磁博物館(台湾)、ヤヴズ・ギャラリー(シンガポール)、ニューヨーク・チェルシーのジーハー・スミス(アメリカ)、ジャカルタ国立インドネシア美術館(インドネシア)などがあります。
seasun
SEASUNは、東南アジアの同時代のアートやカルチャーにいつでも触れられる場所となることを目指して名古屋にて設立。東南アジアと日本のアート/カルチャーを通した交流にフォーカスし、人々をつなぐプロジェクト(アーティストインレジデンス、市民同士の交流、アカデミックな交流、上映会やトークやパーティなどのイベント)を企画・運営しています。TRA-TRAVEL
TRA-TRAVELは2019年に設立され、これまでに15カ国以上、50名を超えるクリエイターとともに展覧会、レジデンス、トーク、アートツアーなどのプロジェクトを実施してきた。また、独自のスペースを持たないという特性を活かし、プロジェクトの企画実施に特化。国内外のアートスペース、映画館、シェアオフィスなど多様な場と連携しながら、柔軟なアートプロジェクトを展開する「モバイルプロジェクト」で活動し、社会に持続可能な芸術交流の形を提案している。
これまで、おおさか創造千島財団、国際交流基金マニラ日本文化センター(フィリピン)、Sàn Art(ベトナム)、OCAC(台湾)などと協働するなど、毎年新たな地域と共にプロジェクトを行い、国内外のアートネットワークをつないでいる。
トークイベント
ソー・ユ・ノウェ「アイデンティティと変容」日時:2025年9月15日(月・祝)16:00〜17:30
会場:SUCHSIZE
料金:参加無料
通訳者:和田太洋
※先着15名は椅子席あり(予約不要)、日英逐次通訳あり
アフターパーティー
日時:9月15日(月・祝)18:00〜20:00
会場:SUCHSIZE
料金:2,000円(フード・ドリンク込み)
ケータリング:イチノジュウニのヨン主催:TRA-TRAVEL
共催:seasun
協力:滋賀県立陶芸の森、イチノジュウニのヨン
助成:大阪市、芳泉文化財団
大阪市西成区山王1-6-20