主に器物作品とそれを用いたインスタレーション作品を制作しているセラミックアーティスト、野田ジャスミンの個展が、北浜のKITAHAMA N galleryにて開催されている。
野田は、1996年タイ国生まれ。2003年に来日、京都精華大学にて陶芸を学んだ。多面性を持つ現代工芸のカタチを明確にすることを目的に、器物作品を通じて「工芸とアート」の関わりについて言及するような活動を行っている。
2018年より発表する「記憶のスワン」シリーズでは、自身が表現のルーツとする母国タイに実在している、「水平線まで続く一面の蓮池」の記憶の風景をモチーフに、工芸という領域の持つ散漫な多様性を細分化し、中立な存在への再構築を試みている。
今回の個展では、「記憶のスワン」シリーズの6作目となる最新作「湖面に沈む」を発表する。睡蓮の蕾を模した350個の花器を空間にグリッド状に配置し、照明を交えたインスタレーションを展開。会場に伝わる地下鉄の列車の振動や、真上の施設の生活水の流れる音もあえて取り込む。明滅する心象風景のイメージに、現在の自身の心情や社会との関わりの中で抱える「希望」と「不安」の間にある作家自身の感覚を表現する。
会期:2020年7月10日(金)〜23日(木)
会場:KITAHAMA N gallery
時間:平日 15:00〜19:00 土・日曜日 13:00〜19:00
休廊:月曜日
観覧料:無料
企画:keshiki.jp
企画協力:THE BOLY OSAKA
KITAHAMA N gallery
大阪市中央区北浜2-1-16 THE BOLY OSAKA B1F