
緑地公園のblackbird booksにて、濵本奏の写真展が開催される。
濵本は2000年生まれ。人やものや土地が持つ「記憶」を主なテーマに、壊れたカメラを用いた撮影方法やミクストメディア的な手法を導入して制作を行っている。2025年には、出版レーベル「真珠出版」を立ち上げた。
この夏、作家自ら立ち上げたレーベル真珠出版より刊行した写真集『ー・・』(チョー タン タン)の刊行を記念した巡回展示を行います。
海と土地の持つ戦争の記憶を現代に写真と音で表現した本書は今年最も印象に残った一冊です。
横浜市民ギャラリーでの展示も大きな話題を呼び、初版は瞬く間に完売。
第二刷がこの11月に完成しました。
「記憶」をテーマに制作を続ける作家の代表作となることはもちろん、後世に読み継がれていくことを願う作品です。
本展では額装写真のほか、横須賀で採集した海の音や貝殻を展示します。また、プリント作品の販売も予定しております。この機会をぜひご利用ください。
(blackbird books)
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作家ステイトメント
ー・・ 海底到着
聞こえますか
聞こえますか
聞こえますか
見えますか
そこから僕のあぶくは見えますか
夜の海に浮かぶ光は何に見えますか第二次世界大戦終戦間近の夏、横須賀の野比海岸では特別な訓練が行われていた。
頭上を通過する敵の船に機雷を撃ち込むために、来る日も来る目も海に潜る少年たちがいた。
彼らは「伏龍特攻隊」と呼ばれた。2024年の夏、私は横須賀の海で、彼らが遺した手記を頼りに写真を撮り、音を集めた。
そのときの私の視線は、彼らの視線よりも、
ガラスのゴーグル越しに彼らの目を覗き込んでいた魚たちのまなざしに近かったように感じる。
彼らが潜っていた海と、私が見ているのは同じ海。
海はすべてを見ていた。
過去はここにある。
未来もここにある。
波は沖から過去を運んできて、波打ち際で私に未来を見せる。
会期:2025年12月5日(金)〜21日(日)
会場:blackbird books
時間:10:00〜19:00
定休:月曜、第3火曜
豊中市寺内2-12-1
緑地ハッピーハイツ1F






