
大阪出身の映画監督・シタンダリンタが監督した4作品を特集上映する企画「SELECTION OF SHITANDARINTA -シタンダリンタ傑作選-」が、2026年6月13日(土)より十三のシアターセブンにて開催される。
何を描いても溢れ出てしまう、シタンダリンタの刻印
2003年生まれ、現在22歳にして既に作品数は15本を超える“若き”映画作家・シタンダリンタ。小学時代から映画をつくり続けてきた彼は、デビュー作『或いは。』(2019)で門真国際映画祭にて最優秀編集賞・優秀作品賞を受賞。フジテレビヤングシナリオ大賞にも入選し、脚本家としても早くからその才能を注目されてきた。
監督・脚本・編集・出演を自在に横断しながら、人間の整理出来ない感情をそのままに掬い、同時にその圧倒的な作劇と鮮やかな映像センスにより見応えのある一作へと仕立て上げる。言葉にならない違和感、消えない思い、関係の中に残り続ける温度̶̶それらを鋭く、そして時に残酷なまでに掘り下げるその眼差しは、同世代のみならず業界内にも熱狂的な支持者を生み出している。
現在、監督・脚本・主演に加え、劇中アーティスト“dillydally”として自らミュージシャンデビューも果たした最新作『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』が制作佳境を迎え、公開に向けて大きな期待が高まっている。映画と音楽を横断しながら拡張を続けるその表現は、まさに今、次のフェーズへと突入しようとしている。
本特集上映は、そんなシタンダリンタの現在地を刻む、初の本格的な特集プログラムとなる。上映される4作品は、比較的近年の作品でありながら、いずれも異なるアプローチを取り、シタンダリンタの作家性を多角的に浮かび上がらせる。
『ぼくならいつもここだよ』(2023)は、小説家という夢を持ちながらも小説を書き切ったことがない青年と、地元の友人との“安定した関係”を軸に、そこへ新たな他者が入り込むことで揺らぎ始める友情のかたちを描く。劇的な事件ではなく、日常の中の微細なズレや違和感を積み重ねることで関係性の輪郭を浮かび上がらせる本作は、彼の人間観察の鋭さが色濃く刻まれた代表作の一つである。
『Amourアムール』(2023)は、結婚・離婚・再婚といった制度的な枠組みを舞台にしながらも、あくまで“恋”の衝動と非合理性にフォーカスした群像劇である。若者たちの嘘と秘密、思惑と感情が複雑に絡み合い、関係性が連鎖的に変化していく様は、軽やかでありながらも切実で、シタンダリンタならではの濃密な会話劇として結実している。
『言い訳』(2024)は、中年女性の孤独と“あるはずもない母性”というテーマを軸に、他者を理解しきることの不可能性へと踏み込んだ意欲作である。ひとつの嘘から始まる関係が、やがて説明のつかない感情へと変質していく過程を、予測不能なストーリーテリングで描き出し、彼の作家性を大きく拡張した転機的作品となった。
そして新作『想うようにいかない』(2026)は、脚本家の女性を主人公に、創作と生活、過去と現在、人との距離感の中で揺れ動く心情を静かに見つめる一作である。家主のいない家での小さな出会いと季節の移ろいの中で、創作論と個人的な後悔が交差しながら立ち上がる本作は、これまでのフィルモグラフィーを引き継ぎつつ、より内省的で繊細な領域へと踏み込んだ最新到達点と言えるだろう。
何を描いても、彼自身が滲み出てしまう。
その“刻印”こそが、観る者を捉えて離さない最大の理由だ。本特集上映は、その刻印の軌跡と現在地を体感するための、決定的な機会となる。
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シタンダリンタ・コメント
「常々僕はどこかで、自分の作品のコレクターみたいな気持ちを持っています。作品をつくることは好きな作品のコレクションを増やすような感じ。この度は、地元・大阪でそのコレクションを披露できることになり、とても嬉しく光栄で、かつ、なんだか照れくさいような気持ちでいっぱいです。良ければこの機会に皆様の好きな映画コレクションの中に僕の作品を入れてもらえたら嬉しいなと思います。どの作品も僕にとって大好きで、特別な一作です」(プレスリリースより)

シタンダリンタ/映画監督・脚本家
2003.9.26生まれ。中学3年で書いた脚本がフジテレビヤングシナリオ大賞、スマホだけで作った映画が映画祭で最優秀編集賞。「激レアさんを連れてきた。」「ヒルナンデス」をはじめ地上波報道番組でも特集され話題の22歳映画監督。現在は映画のみならず音楽・写真などマルチに活動の幅を拡大中。昨年は初の書き下ろしシナリオブック『言い訳』を上梓。主な作品に『或いは。』『どこからともなく』『もしや不愉快な少女』『ぼくならいつもここだよ』『ミス・サムタイム』『Amourアムール』『ケース・バイ・ケース』など。若者特有の普遍的な鬱屈と葛藤を時代の空気を込めて表現する、よくばりな才能をもつ青年。新作『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE(2026年公開)』では劇中アーティスト・dillydallyとして音楽活動も始動。
SELECTION OF SHITANDARINTA -シタンダリンタ傑作選-
日程:2026年6月13日(土)〜19日(金)
会場:シアターセブン
上映作品:
6月13日(土) 映画「Amourアムール」(上映後アフタートーク)
6月14日(日) 映画「ぼくならいつもここだよ」
6月15日(月) 映画「言い訳」(上映後アフタートーク)
6月16日(火) 映画「Amourアムール」
6月17日(水) 映画「ぼくならいつもここだよ」(上映後アフタートーク)
6月18日(木) 映画「言い訳」
6月19日(金) 映画「想うようにいかない」(上映後アフタートーク)
※舞台挨拶登壇者は後日解禁料金:一般1,900円、学生1,000円
大阪市淀川区十三本町1-7-27
サンポードシティ 5F
![thumbnail: 2022/4/1〜4/16:石川清薫[ing a song song]/シタンダリンタ[映画監督]](/assets/img/common/space_85x58.png)

