
漆特有の透明な「皮膜」と「つや」から喚起される知覚経験を主題に制作を行う石塚源太の初作品集『Genta Ishizuka: Relative Dimension − 石塚源太 かかわりの様相』の出版記念展が、2026年5月23日(土)より桜ノ宮のアートコートギャラリーにて開催されている。
石塚は1982京都府生まれ。2008年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程漆工専攻修了。
漆の新しい知覚体験を追求する多様な立体作品は世界的にも高く評価されており、ロエベファンデーションクラフトプライズ2019<大賞>などを受賞しているほか、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ミネアポリス美術館(アメリカ)、京都市京セラ美術館(京都)などに作品が収蔵されている。
作品集には、清水穣(美術評論家、同志社大学教授)と山田雅美(ヴィクトリア&アルバート博物館学芸員)による論考を収録し、石塚の漆作品の魅力と美術史における重要性を考察。
本展では、工芸と現代美術を切り結びながら新たな領域を拓くその表現を、貴重な初期作や作品集掲載作品、最新作とともに展示する。
アーティスト・ステイトメント
作家の一貫した方向性というのは、私にとってはその都度、可能性を広げるために複数の試みを重ねてきたということなのかもしれません。
当時は、広がっていく可能性の気配に導かれるように、その方向へと作品を制作していました。そのきっかけは、友人との会話だったり、旅先での出来事だったり、価値観が揺さぶられるものとの出会いだったり、新しい物事を知った瞬間だったりします。たとえ直接作品に現れなかったとしても、それらは制作の養分となり、自分の活動を支えてきました。偶然の出会いも、時間が経つと必然だったと思えるように、結果としてそれらは必要なものだったのだと感じています。
今になって振り返ると、それらが一本の線としてつながっているという実感があります。あるいは、現在の視点からそれらを一本の線として結び直しているのかもしれません。当時から明確な道筋が見えていたわけではありませんでした。
過去の作品を見返すと、時間を越えた地点に、自分の制作の軌跡が浮かび上がってきます。作品集の編集を通して考えたのは、その軌跡をどのように結び直し、さらにその先をどのように見据えるのかということでした。今現在を少し引いた視点から捉え直すことで、未来に対しても新たな見通しを持つことができるのではないかと思っています。
一本の道を見出そうとすることと、同時に次の可能性にも開かれていること。その両立について、あらためて考えるきっかけとなりました。石塚源太
石塚源太 作品集出版記念展「Relative Dimension − かかわりの様相」
会期:2026年5月23日(土)〜6月27日(土)
会場:ARTCOURT Gallery
時間:11:00~18:00 ※土曜は~17:00、6月13日(土)は〜15:00
休廊:日・月曜
※作品集はライブアートブックスより2026年5月下旬に発売予定
大阪市北区天満橋1-8-5
OAPアートコート1F




