
大阪を拠点に活動しているアートハブ・TRA-TRAVELは、2021年から、公共および民間のアートオーガナイゼーションと共に企画するアーティスト・イン・レジデンス「AIRΔ」を大阪で継続的に主催している。
AIRΔ vol.20では、万博が国家やアイデンティティの形成に果たした役割を探究しているベトナム人アーティスト/アートワーカーのアルレット・クイン=アイン・チャンを招聘。2026年7月4日(土)から10日(金)まで大阪に滞在しリサーチを行う予定だ。
7月8日(水)には山王エックスにて、「万博とアイデンティティ」と題したトークイベントを開催する。
AIRΔ vol.20では、ベトナム人アーティスト/アートワーカーのアルレット・クイン=アイン・チャンを迎えます。アイン・チャンは近年のプロジェクト「Future Tense」において、1964年のニューヨーク万国博覧会と1970年の大阪万博に関するアーカイブ調査を軸に、万博が国家やアイデンティティの形成に果たした役割を探究しています。
これら二つの国際博覧会は、新たに独立した国々が、建築や展示、パフォーマンスを通して自らのアイデンティティを世界に提示する舞台でもありました。1950年代後半から1970年代にかけては、脱植民地化と近代化への希望、そしてユートピアへの夢が、冷戦という地政学的な状況のなかで交錯した時代でもあります。本トークでは、アイン・チャンの関心と響き合う実践を行うフィリピン人アーティスト、カール・カストロをゲストに迎えます。カストロは1970年大阪万博におけるフィリピン館をリサーチしており、それぞれ異なる視点から万博と国家表象を考察してきました。二人の対話を通して、万博という装置が国家のアイデンティティをいかに演出し、また私たちの歴史認識や未来像にどのような影響を与えてきたのかを考えます。
昨年の大阪・関西万博を経た今だからこそ、あらためて万博という出来事を歴史的な視点から捉え直し、国家やアイデンティティについて考える機会となれば幸いです。ぜひご参加ください。
(主催者)

アルレット・クイン=アイン・チャン|ArletteQuynh-Anh Tran
アルレット・クイン=アイン・チャン(1987年生まれ)は、ホーチミン市(サイゴン)を拠点に活動するアーティスト、ライター。アニメーション、3Dデザイン、歴史資料、建築などを用いながら、政治的言説とSF的想像力を交差させた作品を制作している。とりわけ「第三世界の未来的ユートピア」という視点から、人間と非人間の共存や冷戦後の支配的な歴史観を問い直す実践で知られる。2012年にはアートコレクティブ「Art Labor」を共同設立。主な展覧会・参加歴に、ハワイ・トリエンナーレ、ラゴス・ビエンナーレ、ダッカ・アート・サミット、シンガポール国立美術館、ポンピドゥー・センター(パリ)、リーウム美術館(ソウル)などがある。

1986年生まれ。フィリピン出身のアーティスト、デザイナー、教育者。絵画、彫像、写真など多様なメディアを用い、アート、デザイン、映画といった分野を横断して活動する。2023年、TRA-TRAVELのAIRΔ vol.7に参加し、1970年大阪万博のフィリピン館をテーマに滞在制作を行った。現在は国際交流基金アジア文化芸術フェローシップ(WA2.0)のフェローとして、AIRΔ vol.18参加アーティストとしてアートスタジオ「イミュ」を拠点にリサーチを行う。
AIRΔ vol.20 アルレット・クイン=アイン・チャン|ArletteQuynh-Anh Tran
「万博とアイデンティティ」日時:2026年7月8日(水)19:00~20:30
会場:山王エックス
ゲスト:カール・カストロ
料金:参加無料 ※申込不要
通訳:和田太洋
主催:TRA-TRAVEL
助成:大阪市
協力:国際交流基金
大阪市西成区山王1-4-14


