
大阪を拠点に、来日したアート関係者や研究者と相互交流をはかりながら展覧会やイベントを企画するアートハブ・TRA-TRAVELが、2026年7月19日(日)に、トークイベント「Mobile Practices:海外レジデンス航海記」を開催する。
本トークイベントでは、TRA-TRAVELが2023年よりジャパンファウンデーション・マニラとの協働のもと継続してきた「フィリピンと日本のアーティスト芸術交流」を振り返ります。またオンラインで世界とつながることが容易になったいま、あえて海外へおもむき、滞在し、人と出会いながら制作することの意味を改めて考える機会にしたいと考えています。
TRA-TRAVELでは、これまでにフィリピンからカール・カストロ(2023年)、ララ・モンセラット(2024年)を大阪へ招聘しました。日本からは、2024年にトモトシが現地で滞在制作を行ったほか、2026年10月からは黑田菜月がフィリピンでの滞在制作を予定しています。
第一部では、フィリピン研究者の白石奈津子氏を迎え、同国の歴史的・文化的背景や社会的条件について理解を深めます。そのうえで、フィリピンで滞在制作を行った日本人アーティストと、大阪でのレジデンスに参加したフィリピン人アーティストそれぞれの経験を経験を通し、異なる社会や文化のなかで活動することが、作品や思考、他者との関係性にどのような変化をもたらすのかを共有します。第二部では、イギリスや中国などでの滞在経験を持ち、数々の国際展をキュレーションしてきた金澤韻氏を迎え、議論をさらに広げます。情報やコミュニケーションがボーダレスになった現代において、他者の社会に身を置き、自らの前提を揺さぶられながら制作する経験にはどのような価値があるのか。アーティスト・イン・レジデンスという実践を手がかりに、その可能性をみなさまとともに考えます。ぜひご参加ください。
(主催者)
登壇者プロフィール
トモトシ
1983年山口県出身。豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後数年にわたって建築設計・都市計画に携わる。2014年より展覧会での発表を開始。「都市に偏在する決まりごとに介入する実践」として、映像やパフォーマンスを制作している。また2020年よりトモ都市美術館を運営し、新しい都市の使い方を提案している。主な展覧会に、「tttv」(中央本線画廊、2018)、「有酸素ナンパ」(埼玉県立近代美術館、2019)、「絶望的遅延計画」(TAV GALLERY、2023)、「Shock Resistant」(studiya. gallery、ソウル、2026)がある。2024年に、AIRΔ vol. 10アーティストとしてバコロドのOrange Projectに2か月間滞在し、制作と発表を行った。また2025年には、JFMのサポートを受けてVIVA Excon Aklanに参加。黑田菜月
写真家・映像作家。人と人との間に写真をおくことで起こるやりとりに関心がある。
フィールドワーク、ワークショップを通じて人と人のあいだに生まれるやりとりを映像化し、自身の実感が他者にどのように影響を与えるか、その関係性のあり方を探る作品を制作している。主な展覧会に、αMプロジェクト2020–2021「約束の凝集」vol.3 黑田菜月|写真が始まる(gallery αM/東京)、2023「東京ビエンナーレ 東京の処方箋『動物園の避難訓練』」(エトワール海渡/東京)、2023「つくりかけラボ13『野鳥観察日和』」(千葉市美術館/千葉)、2025 「日常のコレオ『凹凸写真ワークショップ』」(東京都現代美術館/東京)などがある。また、2025 国際芸術祭「あいち2025」ラーニングプログラムのメンバー。カール・カストロ
1986年生まれ。フィリピン出身のアーティスト、デザイナー、教育者。絵画、彫像、写真など多様なメディアを用い、アート、デザイン、映画といった分野を横断して活動する。2023年、TRA-TRAVELのAIRΔ vol.7に参加し、1970年大阪万博のフィリピン館をテーマに滞在制作を行った。現在は国際交流基金アジア文化芸術フェローシップ(WA2.0)のフェローとして、AIRΔ vol.18参加アーティストとしてアートスタジオ「イミュ」を拠点にリサーチを行う。金澤 韻
東京芸術大学大学院美術研究科、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート現代美術キュレーティングコース修了。熊本市現代美術館など公立美術館での12年の勤務を経て、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。近年の主な展覧会に「Art Rhizome Kyoto 逆旅京都」(京都市内10箇所、2024/2025)、Gangwon International Triennale (平昌、韓国、2024)、「AKI INOMATA:シグニフィカント・アザネス」、「毛利悠子:ただし抵抗はあるものとする」、「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、青森、2018~2022)、「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」(横浜)、「杭州繊維芸術三年展」(浙江美術館ほか、杭州、2019)、「Enfance」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2018)など。札幌国際芸術祭2027ではキュレーターおよびドラマトゥルクを務める。京都芸術大学特任准教授。株式会社コダマシーン共同代表。白石奈津子
大阪大学大学院人文学研究科講師
1988年佐賀県出身。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程単位取得退学。博士(地域研究)。専門は文化人類学・農村社会学。フィリピン南部タガログ地方を中心に、民族間関係や共同性のあり方に注目して研究。 主な著作に、『出稼ぎ国家フィリピンと残された家族──不在がもたらす民族の共在』(風響社、2018年)、『現代フィリピンの地殻変動 : 新自由主義の深化・政治制度の近代化・親密性の歪み』(共編著、花伝社、2023年)など。
日時:2026年7月19日(日)14:00〜18:00
会場:SUCHSIZE
プログラム:
1部「アーティストインレジデンス・フィリピンのケース」
モデレーター兼登壇者:白石奈津子
登壇者:トモトシ、黑田菜月、カール・カストロ2部「他者の社会に身を置くということ 」
登壇者:金澤 韻、トモトシ、黑田菜月、カール・カストロ※日英逐次通訳あり
料金:参加無料 ※申込不要
主催:TRA-TRAVEL
協力:JFM、Orange Project、TASA
助成:大阪市
大阪市西成区山王1-6-20


