
言語化できない事象を抽象的かつコンセプチュアルな視点から読み解くアーティストを招聘し、展覧会やトークイベントなどを開催している山王のSUCHSIZE(サッチサイズ)で、過去に開催した展覧会を哲学の視点から読み解くトークシリーズ「ReviewReview」。2026年8月に開催された第1回につづき、第2回「私的空間と公的空間」が、2026年10月11日(日)に開催される。
バウハウスやブラック・マウンテン・カレッジといった20世紀の美術学校は、理論と実践を分かちがたく結びつけることにより、ジョセフ・アルバースやロバート・ラウシェンバーグらの独創的な表現を育む豊かな土壌となりました。 SUCHSIZEでは、こうした教育をモデルとした領域交流を推進することで、芸術の制作や鑑賞に「新たな読み解き」を提示するプログラム『レビューレビュー(ReviewReview)』を始動します。
本プログラムは、SUCHSIZEで開催されてきた展覧会におけるさまざまなキーワードを、哲学の視点から「再翻訳」する試みです。展覧会の事後研究として、実際の展示で具現化されたテーマの応用可能性や社会的な意義を明らかにします。
2026年度は、哲学研究者の和田太洋氏をリサーチャーとして、さらに3名の哲学者をゲストとして迎えます。このように、現代哲学の視座からキーワードを再解釈することは、アーティストや鑑賞者のみならず、あらゆる人々にとっての「思考の道具立て」ないし実践的な知を提供すると信じています。
第2回では、2025年秋展『Tender Recalls / Prospective Futures』を起点に、「私的空間と公的空間」についてのトークを開催します。この展覧会は、個人や家族の私的な記憶を出発点としながらも、それが他者との対話や体験の共有を経てコミュニティの記憶へと変容していく場を創出しました。私的な語りを公的な空間で交錯させるこうした展覧会構成は、多文化が共生する地域社会の構造や、私たちの振る舞いにいかなる変容をもたらすのでしょうか。
本イベントでは、哲学研究者の朱喜哲氏を招聘し、「プライヴェートとパブリックの交差する場」としての展示のあり方にフォーカスします。私的な語りを公的な場に届けることや、公的な正しさを私的な場に持ち込むことが社会のなかで果たす役割について、哲学的な言説を補助線としながら思考を深めます。それぞれ多様な私的生活を送る私たちがいかに共存することができるのか、その方法を捉えなおす機会を提供します。(SUCHSIZE)
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登壇者プロフィール
朱喜哲 | ちゅ・ひちょる | Ju Heechul
1985年大阪府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。大阪大学社会技術共創研究センター招へい准教授。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。著書に『人類の会話のための哲学』(よはく舎)、『〈公正〉を乗りこなす』(太郎次郎社エディタス)、『バザールとクラブ』(よはく舎)、『バラバラな世界で共に生きる』(NHK出版新書)などがある。Yukawa-Nakayasu | ゆかわなかやす
アーティスト / TRA-TRAVEL共同創業者 / SUCHSIZEディレクター。大阪を拠点に国内外の歴史や習俗、習慣をもとに、社会や身体、日常に内在する営為を視覚化する作品を発表し続けている。2019年には「TRA-TRAVEL」を立ち上げ、国際的なアートネットワークを創造するプロジェクトを企画。また2024年からは、SUCHSIZEをオープンし、展覧会やトークイベントをキュレーションする。 和田太洋 | Taiyo Wada
ホノルル生まれ。アメリカ哲学を基盤に、コミュニケーションにおける予測作用の働きを研究している。関西を中心に、展覧会やパフォーマンスのレビュー執筆、アートイベントでの通訳を行う。主な論考に「身体と信頼」(『SPIN-OFF』、2024年)、「清掃の手法と排他性」(KIKA cas note、2024年)などがある。
ReviewReview vol.2「私的空間と公的空間」
朱喜哲×Yukawa-Nakayasu×和田太洋日時:2026年10月11日(日)16:00〜17:30
会場:SUCHSIZE
料金:入場無料
※先着15名は椅子席あり(予約不要)
アフターパーティー
日時:10月11日(日) 18:00〜21:00
料金:2,000円(フード・ドリンク込み)
ケータリング:柏本奈津主催:SUCHSIZE
助成:大阪市
大阪市西成区山王1-6-20


