谷町六丁目のギャラリー、+1artにて、石橋志郎の展覧会が開催される。
石橋は1981年大阪府豊中市出身。京都市立芸術大学美術学部日本画専攻卒業、同大学大学院修士課程美術研究科絵画専攻修了。
岩絵具・胡粉など日本画の画材を画面に重ねることで、複雑に屈折した光を放つ作品を制作している。
ドイツの文豪ゲーテはニュートンの光学理論を批判して「色彩論」という本を書き「色は曇りの中にある」 と言ってます。「曇り」というのは、白(光)と黒(闇)の間にある「グレー」ゾーンのことのようです。彼に言わせると、夕焼けが赤いのは薄闇を通して陽光を見るからで、青空は陽光を通して暗い宇宙を見るから。 光と闇の間にある曇り(灰色)の中に青も赤も含まれるとゲーテは感じました。
石橋志郎の絵画を見ると、ゲーテの言葉を思い出します。日本画の素材の特質を熟知した石橋が描く絵画は灰色(複数形)に見えます。岩絵具・胡粉等の粒子を重ねた画面に当たった光は、その中で複雑に屈折あるいは乱反射して観る者の目に届きます。光はすべての色を含みます。灰色の画面の中で屈折を繰り返し出てきた光を見ると「色はグレーの中にある」と言ったゲーテの言葉が蘇ります。さらに深みをました石橋志郎の「灰色」をご高覧ください。
+1art
会期:2021年6月2日(水)〜12日(土)
会場:+1art
時間:12:00〜19:00(最終日〜17:00)
休廊:日・月・火曜日
問合:06-7712-6685
同時開催 新宅 加奈子「FLOW」
全身に絵の具を纏う行為を行い、その際の身体の動きによって流れ出る絵の具の軌跡をキャンバスに写し取った作品を展示。
会期:2021年6月2日(水)〜12日(土)
会場:+2(+1artから徒歩5分)
時間:13:00〜19:00
休廊:日・月・火曜日
大阪市中央区谷町6-4-40