書籍『K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在』が、2022年12月にグラフィック社から発売された。
著者は、大阪を拠点に活動するグラフィックデザイナーの後藤哲也。
後藤は、グラフィックデザイン・編集・教育と幅広い領域で活躍しているが、特にアジアを中心とした国外のデザイナーの紹介、彼らと協働するプロジェクトに精力的に取り組んできた。その実績は、本メディアに2022年9月に掲載した仲村健太郎による記事「REVIEW|つかの間の「私らしさ」に向かって——後藤哲也とアジアのデザイナーの実践から」に詳しい。
本書で後藤は、2000年代後半以降に独自の発展を遂げてきた韓国のグラフィックデザインにフォーカス。X世代からミレニアル世代、Z世代まで、グローバルな思考とローカルな実践をつないで躍動するグラフィックデザイナー22組の実践と思想をレポートしている。K-POPのデザインシーン、デザイン教育、ハングルフォントの動向などのコラムも充実しており、韓国のグラフィックカルチャーを多角的にとらえることができる。
後藤哲也(ごとう・てつや)
近畿大学文芸学部准教授、大阪芸術大学客員教授。グラフィックデザインに関する実践と研究を行う。著書にアジアのグラフィックデザイナーを取材した『YELLOW PAGES』(誠文堂新光社、2018)がある。同書をもとにした展覧会「GRAPHIC WEST 7: YELLOW PAGES」(京都dddギャラリー、2018)やSulki & Minを個展形式で紹介した「GRAPHIC WEST 9: Sulki & Min」(京都dddギャラリー、2021)、Na Kimとコラボレーションした「FIKRA Graphic Design Biennial 01」(U.A.E.、2018)など韓国のグラフィックデザイナーとのコラボレーションも多い。ソウル国際タイポグラフィビエンナーレTypojanchiでも、2013年と2015年にキュレーターを務めた。
K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在
著者:後藤哲也
発売日:2022年12月
仕様:B5変形 並製 総240頁
定価:3,300円(10%税込)
出版:株式会社グラフィック社目次:
第1章 K-MOVIE、K-POPにみる韓国グラフィックカルチャーの現在(Propaganda/SM Entertainment)第2章 跳躍するミレニアル世代(Ordinary People/SUUUB SERVICES/MHTL/Press Room/Paper Press/キム・サンク/オ・へジン/Corners/DDBBMM/ホン・ウンジュ、キム・ヒョンジェ/Shin Shin/シン・ドクホ/カン・ムンシク/Sunny Studio/WORKS/6699press)
第3章 地殻変動をもたらしたジェネレーションX(Sulki & Min/イ・ジェミン/workroom/Na Kim)
第4章 出版物と書体から見る2000-2010年代の韓国グラフィックカルチャー(イム・ギョンヨン「The Book Societyを構成する10のコンテクスト」/ハン・ミンジュ「2000年代から2010年代にかけてのハングルのデザイン風景」)
コラム 韓国グラフィックカルチャーを取り巻くキーワード(K-POP/平等性/展覧会/デザイン教育)
特別企画 K-GRAPHIC-MUSIC-WORKSONG-INDEX 2005-2022
韓国のインディペンデント音楽シーンで活躍するパク・ダハム(a.k.a. DJ Yesyes)による、2005年から現在にいたるソウルの音楽を凝縮したプレイリスト(YouTubeリンク付き)