福祉×伝統工芸の可能性に着目し、新しいものづくりのあり方や伝統工芸の可能性を模索していく一般財団法人たんぽぽの家(以下、たんぽぽの家)のプロジェクト「NEW TRADITIONAL」。その取り組みを紹介する展示が、2022年5月15日(日)まで心斎橋PARCOのSkiiMa COLLECTION BOOTHにて開催中だ。
2019年からはじまったNEW TRADITIONALでは、地域の歴史や文化、土地に根ざす素材や技術に触れながら、ものづくりを通して人とものと環境をつなぎ、暮らしや仕事をより豊かにしていくための実践を行ってきた。たとえば、「春日大社境内の杉から生まれた燭台」は、春日大社から「障害のある人の仕事につなげてもらいたい」と、奈良県で障害のある人の雇用の場をつくり、地元中小企業を支援する「あたらしい・はたらくを・つくる福祉型事業協同組合」へ境内の杉が寄贈されたことにはじまった。たんぽぽの家が運営するGood Job!センター香芝が、日本の道具とうつわを扱う店「空櫁」と協働し、境内の杉を用いて“祈りや祝い”を暮らしにどう取り入れていくのかを模索。アイデアを燭台の商品開発に展開させ、職人から制作の手ほどきを受けながら、障害のある人とともに加工作業を行った取り組みだ。
本展では、「春日大社境内の杉から生まれた燭台」のほか、山形県の障害のある人と米沢緞通・滝沢工房との協働から生まれた高密度の手織り絨毯「NEW DANTSU」、障害のある人とともに日本在来種の蚕「小石丸」を育て、養蚕の歴史や絹糸を使ったものづくりを行う「お蚕さんプロジェクト」、3Dプリントなどのデジタル工作技術を活用した「Good Job!センター香芝の張り子」といった、NEW TRADITONALのこれまでの取り組みを紐解いていく。なお、会場では本プロジェクトから生み出された商品の一部を購入することができる。
■NEW TRADITIONAL
「NEW TRADITIONAL」プロジェクトは、一般財団法人たんぽぽの家が2019年からはじめた取り組みです。つくり手・つたえ手・つかい手との対話の場「ニュートラ談義」、福祉のものづくりと伝統的なものづくりの協働による商品・製品づくりなどを実施。ものづくりの実践や販売を行うとともに、展覧会「わたしのニュートラ」の開催や広報誌「NEW TRADITIONAL PAPER」の作成など、情報の発信や学び合う場づくりを行っています。
https://newtraditional.jp/
※令和3年度 文化庁委託事業「障害者等による文化芸術活動推進事業(文化芸術による共生社会の推進を含む)」■Good Job!センター香芝
誰もがはたらく喜びを実感でき、
主体性をもって暮らせる社会へ
Good Job! Centerは、障害のある人とともに、アート・デザイン・ビジネスの分野をこえ、社会に新しい仕事をつくりだすことをめざしています。一人ひとりの表現の豊かさのように、はたらき方もまた多様であるはずです。個人、企業、地域の垣根をこえ、だれもが能力を発揮できる社会の実現に向けて、さらなる提案・実践を展開していきます。
http://goodjobcenter.com/
会期:2022年2月15日(火)〜5月15日(日)※期間中に展示入れ替え有り
会場:心斎橋PARCO4F SkiiMa COLLECTION BOOTH
時間:10:00〜20:00 ※営業時間は心斎橋PARCOに準ずる
料金:無料
問合:nt@popo.or.jp/0742-43-7055(一般財団法人たんぽぽの家)
SkiiMa
COLLECTION BOOTH
大阪市中央区心斎橋筋1-8-3
心斎橋PARCO4F