紙の専門商社・竹尾が運営する淀屋橋見本帖にて、2021年10月に東京・青山見本帖で開催された「AOYAMA CREATORS STOCK 20 SPREAD展 GIFT/STACK」の巡回展が開催中だ。
SPREADは、小林弘和と山田春奈が2004年に立ち上げたクリエイティブユニット。長い時間軸で環境を捉えるランドスケープデザインの思考と鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合し、「カラーとコンセプト」を特徴に、グラフィック、プロダクト、エキシビジョンなどのデザイン&ディレクションを行っている。
主な仕事に「国立新美術館開館10周年」記念ビジュアル、ジャパン・ハウス ロンドン「Biology of Metal」展、工場見学イベント「燕三条 工場の祭典」、東京ミッドタウン「六本木カラー渓谷」インスタレーションなど。日本パッケージデザイン大賞など受賞多数。
社会は今、先が見えないいくつもの課題が積み重なって、時代の変わり目を生きているといっても過言ではないだろう。
そのような中で思い浮かんでくるのは「ギフト」「積む」という二つの観点。
重たい不安がのしかかる状況を切り開くきっかけがここにあるように思う。本展では二つの作品を紹介します。
一つは、世界中を襲った有事に「世界に色で喜びを生み出したい」と願い制作した作品「Much Peace, Love and Joy」。
特殊な活版印刷により一つとして同じものがないグラデーションを印刷し、
1枚1枚手で千切った紙の断片を集積したインスターレーション作品です。
これらの断片は、ありとあらゆる存在、状況、概念、時間、現象の集積のメタファーであり、
見る人によって花・石・島・氷・鳥・時間・記憶とさまざまに想像力を喚起させます。制作工程の一部も公開します。二つ目は、竹尾と共に開発を進めているファインフルートギフトボックス。
段ボール素材のシンプルな身蓋箱にファインペーパーを付け合わせることによって、新たな価値を目指している試みです。
色と質感がそれぞれ違う紙箱の身蓋を組み換えることができ、色の組み合わせもひろがります。プロトタイプを紹介します。——刷る、千切る、並べる、選ぶ、組む、積む。
両作品で行っていることは至ってシンプルで、世にも新しい技術ではありません。
状況を受け取り、自身に向き合い反応して、出来ることを積み上げる。ギフトの精神を大事にしながら、
こういったことを丁寧に積み重ね続けたいのです。
(SPREAD)(Webサイトより)
会期:2022年3月25日(金)〜5月8日(日)*会期中無休
会場:淀屋橋見本帖
時間:11:00〜18:00
問合:06-6232-2240
竹尾 淀屋橋見本帖
大阪市中央区今橋4-1-1
淀屋橋odona1F