クリエイティブユニット・grafのアーティストインレジデンス企画第2弾として、香りによる表現活動を行うアーティスト・和泉侃の個展「匂いの焦点」が、2022年4月28日(木)から5月8日(日)にかけてgraf porchにて開催中だ。
和泉は1991年東京生まれ。19歳で香りの世界に入り、大手セントマーケティング企業を経て2015年に独立、以降は空間・商品の香りのデザインや独自の作品制作などに取り組んできた。現在は淡路島を拠点に、現地の植物採集や蒸留を行いながら、土地の香りや流通している原料以外の香料の探索にも注力。近年では、2021年11月にデビューしたスキンケアブランド「D.W.M.」の香りのディレクションも手がけている。
本展では、匂いのとらえ方や物質の輪郭、また、自身のラボラトリー「胚」にて、今年2月に発表した新作《0》の3つのインスタレーションを通して、無意識のなかにある嗅覚をひらくことを試みる。期間中は、本展に向け新たに制作・展示した香りを数量限定で販売。和泉のオリジナルプロダクトや、彼がデザイン・ディレクションを手がけたスキンケアアイテム、ルームフレグランスなども登場予定だ。
わたしたちの多くは「五感」を通して世界を認識しています。ほとんどの情報は視覚からと言われていますが、実際は無意識のうちに聴覚や触覚、嗅覚など、さまざまな感覚が働いています。
和泉侃は「嗅覚」を手がかりに、意識の裏にある感性を呼び起こし、作品を制作しています。
自身を形成した時間や環境を遡りながら、その先にある無垢さを表現した新作《0》では、鑑賞者の身体や記憶を震わせました。本展覧会では、わたしたちの暮らしの中に存在している姿のみえない「匂い」を、普段視覚や振動などから体感している感覚へと置換すること、物質から想像し要素を抽出することでその輪郭を浮かび上がらせます。
実験的な展示を通して嗅覚からインストールされた匂いの捉え方は、感覚の解像度を高め、物事をより深く感じとる思考へと接続されます。
本企画が、鑑賞者の新たな感性を育むきっかけとなれば幸いです。
期間:2022年4月28日(木)〜5月8日(日)
時間:11:30〜18:00
会場:graf porch
定休:2022年5月2日(月)
問合:06-6459-2082(担当:猪子)
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トーク
日時:2022年4月30日(土)14:00〜14:30
登壇:中昌幸(D.W.M. CBO)×和泉侃
*予約不要
D.W.M.レクチャー・ワークショップ
日時:2022年4月30日(土)14:30〜(トーク終了後開催)
講師:和泉侃
定員:6名(先着順)
参加費:5,000円
予約:info@graf-d3.com(担当:猪子)
大阪市北区中之島4-1-9
graf studio 2F