石川県の伝統工芸・九谷焼の窯元、上出(かみで)長右衛門窯。明治12年(1879年)に創業し、東洋で始まった磁器の歴史を舞台にしながら、伝統に固執しない柔軟な姿勢で、割烹食器を中心に発表している。
その上出長右衛門窯が「新たな九谷焼と 出会う遊びの場」として2010年より開催しているイベント「KUTANI CONNEXION」が、3年ぶりに阪急うめだ本店で開催される。
今回は「デパート in デパート」がテーマ。九谷焼から広がる小さな架空の百貨店をイメージした内容だ。
上出長右衛門窯からは、現代的な感覚で九谷焼の瑞々しさを呼び戻すような食器や人形が出品。干支のうさぎにちなんだ盃や湯呑、招猫の人形など、お正月らしい商品も並ぶ。
上出長右衛門窯の六代目である上出惠悟(1981〜)は、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業という窯元としては稀有な経歴の持ち主。美術作家として活動し個展などで作品を発表する一方で、職人と共に多くの企画や多様な作品を制作、伝統の枠にとらわれない柔軟な発想で九谷焼を現代に伝える。2013年には合同会社上出瓷藝(かみでしげい)を設立、企業の商品企画、パッケージデザインなど、さらに活動の幅を広げている。
今回のイベントでは、上出惠悟の代表作であるバナナを象った磁器作品《甘蕉》や、上出瓷藝によるトートバックやカレンダーなども出展。九谷焼を起点としつつ、さまざまな表現やデザインを楽しめる1週間となりそうだ。
KUTANI CONNEXION DEPARTMENT STORE
会期:2023年1月11日(水)〜18日(水)
会場:阪急うめだ本店9階 アートステージ
時間:10:00〜20:00(最終日は18:00終了)
上出惠悟による売場ツアー
日時:1月15日(日)、17日(火) いずれも14:00〜(約30分)※上出惠悟在店日:1月11日(水)、15日(日) 、17日(火)
阪急うめだ本店
大阪市北区角田町8-7