+1artでは 本年度より新たな企画「プラスプラス*」をスタートしました。これは、音を素材にしたり、音をイメージした作品を制作する若手作家を支援するシリーズ企画です。本展は、その第二回目です。想定外の事態に揺れる、この激動の時代にあって、表現行為はさらに多様になり想定外の作品がこれから次々に生まれる予感がします。本プロジェクトはギャラリー空間がその起点となることを期待するものです。
安藤由佳子は1994年の渡独以来ドイツ・アメリカで活動を続け、近年帰国しました。海外での生活が長かったので、日本での生活は戸惑うことや不条理に感じることもあるようです。その経験が、立ちはだかる壁で構成された今回の作品《Second Stage》を制作する動機の一つになりました。
《Second Stage》は、圧倒的ではあるけれど近寄って見たくなる親近感を覚えます。存在を肯定している感じといえば良いでしょうか。この不条理な世界でアーティストができることは?という問いに対する一つの回答を安藤由佳子はつくりました。なお、3/18には安藤由佳子と井上明彦氏とのクロストークを会場で行います。ギャラリーの中央に設置されたSecond Stage、壁の中での二人の会話は、聞くこともできるし、その会話に参加することもできます。本プロジェクトならでは試みになるでしょう。
*プロジェクト名の「プラスプラス ¡ plas,plas ! 」は拍手音を表すスペイン語のオノマトペ。
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作家コメント
私は日常の様々なエピソードを通して、内的世界と外的世界の関係性を探究し、根源的な人間の生への営みや、社会の在り方への疑問をインスタレーション、オブジェクト、アクション、映像などを用いて投げかけています。
今回は、ここ数年揺れ動く世界情勢や私を取り巻く環境から生まれた感情をもとに、ゲームの舞台のような体験型インスタレーションを制作します。《Second Stage》と題し、リアリティーを感じるための身体、リアルとフィクションの交錯などに着目し、先の見えない不安定な時代を楽しく乗り越えていく方法を模索できればと思います。–
安藤由佳子
1972年、大阪生まれ。
1994年京都精華大学を卒業、1994-2001年国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍し、2000年マクダレーナ・イェテロバよりマイスタ ーシューラー取得、2001年国立デュッセルドルフ芸術アカデミーを卒業 Diploma
ドイツ、ヨーロッパを中心に個展・グループ展を開催。2013年文化庁新進芸術家海外研修を機にアメリカに移住し、活動拠点を広げる。2021年より京都市立芸術大学彫刻専攻准教授。(プレスリリースより)
プラスプラスプロジェクトvol.2
Second Stage
安藤由佳子会期:2023年3月8日(水)〜25日(土)
会場:+1art
時間:12:00~19:00(最終日 〜17:00)
休館:日~火曜
クロストーク「話すことをSecond Stageで試みる」
インスタレーション空間を会場とする2人のアーティストによるトーク
日時:3月18日(土)16:00〜
出演:井上明彦(美術家)X 安藤由佳子
参加費:無料問合:06-7712-6685 gal@plus1art.jp
大阪市中央区谷町6-4-40