谷町六丁目のギャラリー・+1artにて、「手にとる展」が開催。
触覚を通じて作品を感知する機会をつくれないか?という発想で企画された本展は、完全予約制。ギャラリー内には作品はほとんど展示されておらず、鑑賞者がリストの中から触りたい作品を選び、各自の机で一点ずつ作品を見る。図書館で蔵書をリクエストして、出された本を閲覧するイメージだ。
会期中は毎日日替わりでアーティストが在廊しており、対話しながら鑑賞することもできる。
本展の参加作家として公表されているのは9名だが、その他にアントニ・タピエス、ヤノベケンジ 、野田哲也、陶山充、今村源、 明和電気、西山美なコ、田中朝子、森末由美子、小林且典、森田洋美、浮川秀信、山西杏奈、林葵衣などの、ギャラリーに委託された立体・平面作品も出品されるという。
普段はなかなか見られない作品の細部を間近に見たり、手触り、重みなど触ることでしか体得し得ない作品の醍醐味を、この機会にぜひ味わいたい。
人間は視覚に頼って生きていますが、現実をありのままに見ているわけではありません。 ありのままの現実(それがあるとして)は情報量が多すぎて処理しきれないので、必要な情報を選択することで初めて対象が現れます。
他方で触覚は身体に触れるモノを感知するので、情報を選択する前に感覚が働きます。それだけダイレクトに対象に接しているから、触感は強いリアリティを持ちます。 それではっきり理解できたときに「手にとるようにわかる」と言うのでしょう。
しかし、ふつう展覧会場で作品に触れることは禁止です。 不特定多数が訪れる場所では、作品に触れることができる展覧会を開くのは極めて難しい。一方で作品に関心を持ったら、もっと知りたくなるのは当然です。 一定の条件下で作品に触ることもできる展覧会ができないか? 手にとる展の企画はこうして始まりました。+1art
会期:2023年6月9日(金)~25日(日)※金・土・日曜のみオープン
会場:+1art
出展作家:今井祝雄、藤本由紀夫、大西伸明、笹岡 敬、 ニシジマ・アツシ、白石晃一、池田 慎、菊池和晃、山本紗佑里、ほか
時間:13:00〜19:00 ※1時間毎に定員4名で予約受付
休廊:月~木曜
料金:入場無料
※全日予約制、ギャラリーWebサイトの予約フォームから要予約問合:06-7712-6685
大阪市中央区谷町6-4-40