大阪を拠点とする音楽家・日野浩志郎を中心に結成されたリズムアンサンブル「goat」が、結成10周年を記念し国内ツアーを行う。

日野はgoatや電子音楽ソロプロジェクト・YPYをはじめ、2022年にリリースされたデビューアルバムが海外を中心に絶賛されたチェリスト・中川裕貴とのデュオ「KAKUHAN」や、舞台音響作品「GEIST」の演出・作曲のほか、全編にわたって作曲を行った太鼓芸能集団 鼓童との音楽映画『戦慄せしめよ/Shiver』（豊田利晃監督、2021年）が公開されるなど、さまざまなフィールドで表現活動を展開している。

日野のメインプロジェクトと言えるgoatは現在、オリジナルメンバーの日野、田上敦巳、安藤暁彦に加え、MANISDRON/The Noupのドラマー・岡田高史と、元鼓童の篠笛・パーカッション奏者である立石雷という5人編成で活動中。新作アルバムの発表も控えており、今回の一連のライブでは新アルバムに収録される新たな楽曲に加え、5人編成の新アレンジとなる既存曲も披露する。

goatはこれまで海外ツアーを基盤とした活動を行っており、2022年12月に枚方で行われたワンマンライブは約5年ぶりの国内公演であったが、国内ツアーは今回が初めて。全国7都市をめぐるが、東京と京都での公演はgoat主催の企画となり、京都公演に関してはロームシアター京都との共催で2日間にわたって開催される。
京都公演の1日目には、東京国立近代美術館での「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」にて行われたコラボレーションをきっかけとし、現在までに継続して作品制作／ライブを行ってきた「空間現代×吉増剛造」、ジム・オルーク 、石橋英子、山本達久による「カフカ鼾」、「KAKUHAN」が出演。
2日目には主催のgoatのほか、ミニマルダンスミュージック〜クラウトロック〜サイケデリックロックが混在した新作EP「家の外」で独自の存在感をさらに強くして進化し続ける国内屈指のバンド「OGRE YOU ASSHOLE」が出演。そして大名盤「幸福のすみか」の発売から25年、BOREDOMSや想い出波止場などの山本精一と、アート・パンク・バンド、アーント・サリーの創設メンバーであり電子音楽ソロ等でも世界的に賞賛を浴びるPhewによる伝説的なデュオが再び実現する。
結成から10年を経たgoatの現在地を、スペシャルなライブで体感したい。

なお、約8年ぶり、通算3枚目となるgoatの新アルバム「Joy In Fear」は、日野が運営するレーベル「NAKID」からリリースされる。アートワークは前回に続き五木田智央、録音は西川文章、マスタリングはRashad Beckerが担当。
全国ツアーにて先行でCDが発売、LPも追って販売される。