長谷川と山田とのディスカッションを通じて‘A CRADLE SONG(子守唄)’という1789年にウィリアム=ブレイクによって作られた詩を参照することになった。
ウィリアム=ブレイクは、ちょうどイギリスにおいて産業革命が起こり、現代において猛威を奮っている資本主義システムが回り出した時代に生きていた人物であり、当時、彼は同時代の人には理解されず、ある種、‘奇人変人’として扱われていたようである。
そんな彼の詩‘A CRADLE SONG(子守唄)’とみんなで向き合おうではないかと。向き合うことの実践を通じて見つかるものはいったいなんなのか。そこにあったのは、 ‘愛’とはなにか、という人類が誕生して以来きっと普遍的で、真面目になればなるほどどこか照れ臭い、ロマンティックな命題であった。
彼等のそんな命題に対する応答として成立した本展覧会によって、鑑賞者の皆様と我々の間に、‘愛’について照れながらも真面目に思案する時間が生まれ、時代を超えた人類としての普遍的な共通項に触れられる機会になれば幸いに思います。
現代において、理屈という角ばった形あるものが増えていることを感じながら生きている私にとっては、今回の展覧会が成立するに至る道のりは、改めて形のない、取り留めないような、なんだかわからないけど心地の良いものの存在を再認識して、その在処を探すきっかけになるようなものであったのではないかと思う。(ギャラリーより)
天台宗系の寺院に⽣まれ、2009年に得度し、2019年には天台真盛宗総本⼭の⻄教寺にて四度加⾏を満⾏しています。
2016年に現役で東京藝術⼤学デザイン科に⼊学し、2020 年より同⼤学院美術研究科デザイン専攻に在籍しながらアーティスト活動を続けています。
感情、思想、⾝体、そして⽣命の存在に対して俯瞰した視点を持つ⻑⾕川の作品群は、彼の根幹をなす仏教思想から得た独⾃の姿勢が垣間⾒え、死⽣観や⼈間の存在そのものを問いかけてきます。
幼少期から“光”に視覚的にも思想的にも強く惹かれてきたという⻑⾕川は、その原体験を作品に落とし込んで表現しています。–
東京都豊島区 ⽣まれ
東京藝術⼤学 美術学部デザイン科 ⾸席卒業
東京藝術⼤学 美術研究科デザイン専攻空間演出研究室 在籍現在東京藝術⼤学にて教育研究助⼿を勤めながら作家活動を⾏っている。
記憶や⾔葉をたぐりよせて、記号化できない気配のようなものを拾うように制作しています。
Duo Exhibition “A CRADLE SONG”
出展作家:長谷川彰宏、山田彩七光会期:2023年8月5日(土)~ 27日(日)
会場:Marco Gallery 1F,3F,4F
時間:12:00〜19:00
休廊:月・火曜
大阪市中央区南船場4-12-25
竹本ビル1F, 3F, 4F