関西を拠点に各地で活動する陶芸家・出垣内愛の個展「And You(アンド ユー)」が、今里のギャラリー・JITSUZAISEIにて開催される。
出垣内は、各地に赴いて陶芸の釉薬や焼成方法について研究し、独自の陶工表現を追求している。
本展では、釉薬を灰となる有機物が持つ文脈を語るための媒体と捉えた作品「鏡」を中心に、多様なオブジェや平面作品を展示。会期中には、アーティストトークや実用器の販売も行われる。
出垣内愛より
釉薬表現において灰、石、金属を炎で溶かしてガラス質へと変換する過程に、歴史や過去の記憶を扱っているように思います。灰、石などの地球に存在し、長い年月を過ごしたものを0.1g単位で調合する、私の手と素材との対話で作品へと操る事は神仏を作っているようです。不安な気持ちを解消するために、人は形あるもの、言葉に安心を求めます。私は言葉にできない安心を私自身がオブジェに感じ、その気持ちを他者へ伝えるために制作をしています。
–
出垣内愛|Ai Degaito
陶芸家。奈良県生まれ。
17歳の頃より奈良県赤膚焼に影響され陶芸を始める。その後、各地の窯業施設に赴き、窯焚きや土づくり、釉薬調合、原料製作を学ぶ。
陶磁器表現において釉薬を原料から作ることに着目しており、灰や石から調合された釉薬は独自のもの。
手びねりによって生まれる有機的な形は、窯焼成の緻密な温度管理と併せて他者との関わり合いから受けた感情を形としている。昨今は各地のAIR(アーティスト・イン・レジデンス)に赴き、積極的に住民と交流しながら土作りや焼成を行う。2021年「女流陶芸展」(京都市京セラ美術館)、2022年「枕崎国際芸術賞展」(南溟館)、2023年「偶然、ここで。」(トビチ美術館)、2024年「王寺まちの芸術祭」(達磨寺)等にて作品を出品。個展としては、 2022年「1190」(JITSUZAISEI gallery)、2023年「聲」(JUUarts&stay)等を開催。
展示に限らず、企業や個人への作品/実用器の納品も行っている。
主な設置場所は三菱地所株式会社の丸の内パークビルディング「xLINK丸の内パークビル」。
会期:2024年7月13日(土)〜28日(日)
会場:JITSUZAISEI
時間:14:00~22:00/BAR 19:00〜
休廊:火曜
レセプションパーティー
日時:7月13日(土) 19:00〜22:00アーティスト・トーク
日時:7月27日(土) 18:00〜19:00
出演:出垣内愛×生井達也生井達也 | Tatsuya Namai(文化人類学者・国立民族学博物館外来研究員)
茨城県生まれ。ミュージシャンとしても活動しながら国内のインディペンデント・カルチャーについての研究を行っている。主な著作に『ライブハウスの人類学』(晃洋書房)。主催:実在性
協力:一般社団法人◯と編集社、株式会社JPeace
大阪市東成区大今里4-14-18