大阪を拠点に活動する劇団、エイチエムピー・シアターカンパニーは、近年「語り」に着目し、ポーズを多用した独自の演技法を用いた演劇作品の上演を行ってきた。
2024年10月31日(木)から11月5日(火)に、東心斎橋のウイングフィールドで開催される「ウイング再演大博覧會」参加公演として、演出の笠井友仁が平成26年度文化庁芸術祭新人賞を受賞したローラント・シンメルプフェニヒ作『アラビアの夜』と、土橋淳志作『メイド・イン・ジャパン』を再演する。いずれも登場人物による対話が極端に少なく、俳優が観客に向けて現在の状況や過去のできごとを語ることで物語が進行していく作品だ。
ヒトやモノがあつまる都市でおこった「可笑しなできごと」や「奇妙なはなし」を題材にした戯曲を、俳優の語りと音楽で表現する、同劇団の新たな試み〈都市をかたどる劇文学〉としての公演。
今回、再演を行うドイツの劇作家 ローラント・シンメルプフェニヒの『アラビアの夜』(翻訳=大塚直)は新しい上演の可能性として「語りの演劇」として注目された代表的な作品の1つです。そして、『メイド・イン・ジャパン』は、『アラビアの夜』をきっかけとして創作された作品です。OMS戯曲賞大賞など、演出家・劇作家として数々の受賞歴があるA級MissingLinkの土橋淳志さんが作を、当団体の演出家・笠井友仁が演出を担当し、関西以外で活躍している演劇人と関西の演劇人が一緒になり、地域を越えて創作され、2017年2月にNPO大阪現代舞台芸術協会(DIVE)プロデュースとしてウイングフィールドにて上演されました。
セリフに対話はほとんどなく、モノローグを中心とした「語りの劇」を、エイチエムピー・シアターカンパニーの公演として、HMP独自の身体表現と洗練した新演出でお届けします。–
『アラビアの夜』(作:ローラント・シンメルプフェニヒ 翻訳=大塚直)
6月半ば。ある集合住宅。漏水箇所を探すため管理人が8階を訪れると、買い物袋を3つもぶら下げたアラビア人女性が玄関ドアを開けようとしていた。何気ない日常と「アラビアンナイト」の世界が重なり合う…。
俳優の語りと身振りにより、重層的なイメージがパズルのように連鎖する語りの演劇。『メイド・イン・ジャパン』(作=土橋淳志(A級MissingLink))
大阪、日本橋のメイドカフェで、悲惨な事件に遭遇したひとりの女性。
被害女性の「ほんとうの姿」を求め、関係者に取材を続けるカメラマン。
カメラの前にいる10名の男女。彼らの証言から浮かび上がる真実とは…。
複数の証言を、2名の俳優が打楽器演奏とともに語るリズミカルな音楽劇。–
劇団プロフィール
2001 年に「hmp」という劇団名で活動を始め、ハイナー・ミュラーの作品を中心に発表。
2008 年に現在名に変更。現在は『「再」発見』を劇団のミッションとして、忘れられていたことを掘り起こす、見過ごされてきたことに焦点を当てることを軸に、常に実験的精神の元、創作活動を行う。代表的な取り組みとして、海外で活躍する劇作家の作品を取りあげ、同時代の海外の表現方法や新しい価値観に触れる機会の創出を試みる「同時代の海外戯曲シリーズ」、日本での名作戯曲を当時の価値観や表現方法を研究した上で、現代演劇として再構成する「現代日本演劇のルーツシリーズ」、さまざまな舞台要素に焦点を当て、戯曲を重視するドラマ観をできるだけ小さくした先端的で、挑戦的に創作する「エクスペリメンタル・パフォーマンスシリーズ」という主に 3 つのカテゴリで創作を行う。劇団の活動をより継続的、かつ発展させていくため、また関西の舞台芸術全体の発展を目指すため、2015年 10月、一般社団法人 HMPを設立した。
エイチエムピー・シアターカンパニー〈都市をかたどる劇文学〉
『アラビアの夜』&『メイド・イン・ジャパン』日程:2024年10月31日(木)〜11月5日(火)
会場:ウイングフィールド
時間・演目:
10月31日(木)19:15メ★
11月1日(金)19:15ア
11月2日(土)11:00ア/15:00メ/18:30ア★
11月3日(日)11:00ア/15:00メ/18:30ア
11月4日(月・祝)11:00ア/15:00メ/18:30ア
11月5日(火)13:00メ/16:30ア
※メ…メイド・イン・ジャパン、ア…アラビアの夜
※★…アフタートークあり
ゲスト:
10月31日(木)19:15…土橋淳志(A級MissingLink 劇作家・演出家)
11月2日(土)18:30…大塚直(愛知県立芸術大学音楽学部教授)
※上演時間は、『アラビアの夜』は約70分程度、『メイド・イン・ジャパン』は約90分程度を予定
※受付は開演の30分前、開場は開演の20分前出演:
『アラビアの夜』
藤田和広、高橋紘介、河元ケンヂ、安部洋花、アンドヨ美穂
『メイド・イン・ジャパン』
髙安美帆、岸本昌也、スティーヴ エトウ(打楽器)チケット:
『アラビアの夜』
一般 前売3,500円/当日3,800円
25歳以下・障碍者 前売3,000円/当日3,500円
『メイド・イン・ジャパン』
一般 前売3,000円/当日3,300円
25歳以下・障碍者 前売2,500円/当日2,800円
セット券(前売のみ/『アラビアの夜』と『メイド・イン・ジャパン』を1回ずつ鑑賞可)
一般 6,000円
25歳以下・障碍者 5,000円応援(寄付) 1口1,000円
※応援(寄付)してくださった方には、本公演の優先入場の他に、エイチエムピー・シアターカンパニーの過去の記録映像を12月31日まででご覧いただけるURLをお送りいたします※整理番号付き自由席、(1)応援チケット購入者、(2)前売券のお客様の順でご入場
※観劇について
会場は靴を脱いでご入場いただきます。
車いすでのご来場や上演台本の貸し出しのご希望など、ご観劇に関してご希望やご不安なことなどございましたらお気軽にお問合せください。チケット予約:https://stage.corich.jp/stage/336431
スタッフ:
『アラビアの夜』作=ローラント・シンメルプフェニヒ 翻訳=大塚直/『メイド・イン・ジャパン』作=土橋淳志(A級MissingLink)/演出・舞台美術=笠井友仁/演出助手=森田祐利栄/映像=サカイヒロト/音楽=Ichizo Yoshioka/舞台監督=塚本修/照明=吉田一弥/音響=宮田充規/大道具=河村都(華裏)/宣伝美術=岸本昌也/制作=前田瑠佳/協力=CQ スタジオ315、舞夢プロ/特別協力=ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川/提携=ウイングフィールド/助成=芸術文化振興基金/企画・製作=エイチエムピー・シアターカンパニー/主催=一般社団法人HMP
※ウイング再演大博覧會 2024 参加公演
大阪市中央区東心斎橋2-1-27
周防町ウイングス6F