東大阪在住の美術家・谷内一光の個展「谷内一光時代|完璧じゃないけど美しい」が、2025年2月1日(土)から16日(日)まで、北浜のNEW PURE+にて開催される。
幼少期から絵を描くことが好きだったという谷内。大阪デザイナー専門学校(現専門学校大阪デザイナー・アカデミー)在学中にアクリル絵具に出会い、以降20年以上にわたり同材を用いてドローイングを制作してきた。
1日2枚描き、SNSに毎日更新しているドローイングシリーズ「日めくりカレンダー」「あしたもきっとたのしいからね」は、継続5年目に及ぶ。大胆な筆致で描かれるモチーフ、素朴で芯のある言葉には、「今も変わらず絵を描くことに対して純度100%の心持ちでいられるのは、プラスなことやマイナスなこと、ネガティブなことも含めて、すべてに感謝しているからです」と語る、谷内の意思が滲むようだ。
谷内はまた、このように自身の歩みを振り返る。「家族や友だち、恩師など、とにかく『縁』を痛感する機会が多くて。好きなことわざに『躓く石も縁の端』があります。さまざまな縁=躓きによって、今を生かさせていただいているんだなあと実感する毎日なので」
「谷内一光時代」は、かつて大正にあったギャラリー&カフェ、DISCO BEANSで2005年に初開催して以来、タイトルを一貫しゆかりある各所で展開してきた絵画展で、今回で33回目を迎える。
NEW PURE+では、同店がオープンした2015年にも実施され、本展は10年ぶり。谷内が夫婦で営む服飾ブランド「FUTATSUKUKURI」の取り扱いをきっかけに、美術家としての谷内との親交も深まり、このたび10周年を記念して開催へ結びついたという。
本展に際しては、キャンバスに白・黒・グレーのアクリル絵具で描いた作品シリーズの近作・新作をお披露目。展覧会タイトルの副題と同じく「完璧じゃないけど美しい」=「Not Perfect but Beautiful」と名付けられたこれらには、「それでいいじゃん、そのままでいいじゃん」と、ありのままを認める意味合いを込めた。
ほかにも、「日めくりカレンダー」「あしたもきっとたのしいからね」の原画が多数出展。また、先述のことわざをもとに、「『石(意志)に躓き、どうするか』『石=意志を持とう』と、人に話したり自分に言い聞かせたりしている」という、谷内の2025年の抱負を絵に表したドローイング「なんにもきにしないでいしのうえでねるへび」の原画も限定数で準備される予定だ。
時に祈りのようにも響く谷内の絵の数々に、ぜひ触れてほしい。
谷内一光 / Ikko Taniuchi
1984年京都生まれ東大阪在住の美術家。
妻がデザイナーを務める服飾ブランド「futatsukukuri」を夫婦で運営。
二児の父。
会期:2025年2月1日(土)〜16日(日)
時間:13:00〜19:00
定休:水曜
会場:NEW PURE + 地下スペース
協賛:ターナー色彩株式会社
大阪市中央区淡路町1-1-4