
ステートメント
私は周囲を観察しながら、さまざまな関係性について比較したり、立ち位置を逆転させる想像をかたちにしてきました。
使うために作られた家畜に不自由を、空を飛んでる鳥に自由を演じてもらい、家畜のなかに鳥を閉じ込めたり。
レシートに印刷した人類の歴史に自分の数十年を参加させてみたり、紙に星の並びを正確に打ち込んで掌握したつもりになったり。
「人間」をコンパクトにまとめて眺める場が好きなのかもしれません。さまざまな立場を客観的に観るための場として。
―木村のぞみ–
展覧会情報
monade contemporary | 単子現代では、木村のぞみによる個展「不自由の相対性Ⅱ | relativity of inconvenience Ⅱ」を開催します。木村はこれまで、絵画や彫金、陶芸などさまざまな素材・技法を経験しながら、動物や歴史、星などを主なモチーフとしながら制作を続けてきました。鳥や山羊、家畜のモチーフは、制作者自身の生活と人類の歴史への思いが重なるなかで、日常生活を織りなす自由と不自由をめぐる営為を淡々と、しかし力強く、捉え直すかのようです。
本展では、2014年に行われた個展「不自由の相対性」から10年を超えて、近年の制作活動を振り返りながら、木村が眼差す不自由をめぐる世界観にあらためて向き合います。空高く飛ぶ鳥と地上に群れなす家畜、鳥を幽閉する鳥かごのまわりを飛ぶ鳥、家畜と鳥をモチーフとする杯が、感熱紙に印字されては消えゆく歴史的な出来事や手漉きの再生紙に標本として穿たれた星座と並ぶことで、自由と不自由の関係性は人類史のなかで読み解かれることになります。
淡々と流れる日常が自由と不自由の間で揺らぐ生活の営みとなるとき、動物と動物、人と人、人々と動物のかかわりは、どのような星座を描き出し、歴史を紡ぐことになるのでしょうか。自由と不自由をめぐる営みのアレゴリー(寓話)のようにつくられた、関係性の広場にご参加ください。
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木村のぞみ
高校大学では絵画や彫金、陶芸などさまざまな素材・技法を学ぶ。卒業後は丹波で住み込み生活で陶芸に従事。下山後は兵庫や大阪で個人制作を続ける。1987 大阪生まれ
2006 大阪府立港南造形高等学校 卒
2010 神戸芸術工科大学 造形表現学科 卒
会期:2025年3月15日(土)〜23日(日)
会場:monade contemporary|単子現代
時間:14:00〜19:00
休廊:月〜水曜
会期中イベント
オープニング・レセプション
日時: 3月15日(土)18:00〜19:00アーティストトーク
DMに掲載した未焼成陶土作品「無常の鳥」をコップの水に浸けるパフォーマンスを行う
日時:3月22日(土)18:00〜19:00
※要ワンドリンクオーダー
京都市東山区月見町10-2
八坂ビル地下1階 奥左入2号室