増村保造、溝口健二、市川崑、川島雄三など日本を代表する監督たちに起用され、昭和を代表する数々の名優と共演してきた女優・若尾文子の特集上映「若尾文子 映画祭」が、2025年6月21日(土)より九条のシネ・ヌーヴォにて開催される。
5年ぶりの開催となる今回は、初の試みとして〈Side.A〉、〈Side.B〉の2期に分けて上映。
〈Side.A〉には、逆境に負けない少女の姿を爽やかに描く『青空娘』や、ラブコメディ『最高殊勲夫人』など、比較的初期の作品を中心に、明るく純粋な若尾文子を堪能できる作品18本がラインナップされている。
〈Side.B〉では対照的に、厳しい状況や複雑な人間関係の中で生き抜いていく、濃厚な若尾文子を味わえる18本を取り上げる。夫の殺人容疑者となった妻を演じた『妻は告白する』、愛する夫のために闘う壮絶な女の姿を描いた『清作の妻』ほか、大映所属時代の中期以降の作品が中心となる。
人間の表と裏、光や影など、いくつもの顔や人生を演じた若尾文子の魅力を、スクリーンで堪能したい。
若尾文子 プロフィール
1933年(昭和8年)11月8日東京都生まれ、一男四女の末っ子。1945年、疎開先の仙台で終戦を迎える。
1951年、大映第5期ニューフェイスに合格。翌1952年3月公開の『長崎の歌は忘れじ』で初めてセリフのある役をもらい、同年5月公開の『死の街を脱れて』で本格スクリーンデビュー。
溝口健二、小津安二郎、市川崑、川島雄三、吉村公三郎、そして後の名コンビとなる増村保造など、巨匠・名匠の名作に次々と起用され、本格女優としてのキャリアを積み、1961年『女は二度生まれる』『妻は告白する』でキネマ旬報賞、NHK映画賞、ブルーリボン賞、日本映画記者会賞、ホワイト・ブロンズ賞の主演女優賞5冠を達成。続く1965年には『清作の妻』『波影』でも同5賞の主演女優賞を受賞、2度目の5冠に輝く。そして1968年、『不信のとき』『積木の箱』でキネマ旬報主演女優賞3度目の受賞という前例のない快挙を成し遂げる。映画総出演数は約160本。
1970年以降は舞台やテレビドラマにも活躍の場を広げ、ソフトバンクのCM に、白戸次郎(犬のお父さん)の母親役で登場し話題となった一方、国内外で主演映画が定期的に上映されるほどファン層が拡大。2014年にはキネマ旬報社によるファン投票で、日本映画女優部門第2位に選出(「オールタイム・ベスト映画遺産 日本映画男優・女優100」より)されるなど、今なお幅広い世代からのファンを獲得し且つ魅了し続けている。
若尾文子 映画祭 Side.A
期間:2025年6月21日(土)〜7月12日(土)
会場:シネ・ヌーヴォ
上映作品:『青空娘』『最高殊勲夫人』『浮草』『お嬢さん』『女の勲章』『女は二度生まれる』『からっ風野郎』『衹園囃子』『死の街を脱れて』『その夜は忘れない』『永すぎた春』『新妻の寝ごと』『日本橋』『花嫁のため息』『閉店時間』『螢の光』『雪之丞変化』『長崎の歌は忘れじ』若尾文子 映画祭 Side.B
期間:2025年7月13日(日)〜
会場:シネ・ヌーヴォ
上映作品:『妻は告白する』『清作の妻』『赤い天使』『赤線地帯』『刺青』『越前竹人形』『「女の小箱」より 夫が見た』『雁の寺』『傷だらけの山河』『婚期』『砂糖菓子が壊れるとき』『しとやかな獣』『爛』『女系家族』『華岡青洲の妻』『不信のとき』『卍』『夜の素顔』※上映作品の詳細、スケジュールは劇場Webサイト参照(上記各タイトルからリンク)
料金:一般1,600円、シニア1,300円、会員・学生1,200円、高校生以下・ハンディキャップ1,000円
※回数券も発売予定若尾文子 映画祭 公式HP→https://cinemakadokawa.sakura.ne.jp/wakao2025/index.html
大阪市西区九条1-20-24