
2025年8月16日(土)より、天満のギャラリー・hitotoにて、六根由里香(ろっこん ゆりか)の展覧会が開催される。
六根は1995年大阪府生まれ。2021年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程版画領域修了。
周囲にあるモノが咄嗟に目の端に飛び込んでくる経験をチャンスイメージと見なし、リトグラフやシルクスクリーンなどの版画技法を用いてイメージの諸相を再提示する作品を制作している。
From the Exhibitor
餅は餠屋
祖母の家では、年末になると餅つき機でお餅を作っていました。
大学3年生の頃、久々に餅つきに参加して丸めて並べると、祖母が丸めたものは丸める気の無い、ぐでっとしたお餠たちだと気づきました。
なんでなのか尋ねると、歳とともに邪魔くさなったと。
それでも美味そうに見えるのは、祖母が丸めたお餠。綺麗に丸められたものよりとっても美味しそうなのです。近頃、祖母は終活運動を加速させてあらゆるものを処分しています。餅つき機も捨てていました。
餅つき機という名のくせに、実際には餅を回している機械。
餅つき機をもう一度見たいと思い、母や祖母にいつの年代のものだったのか聞き取りをして購入を試みましたが高価で買えませんでした。
機械より餅本体の方が見たい、食べたいと思い出すようになりました。祖母や母のいいかげんさ、テキトウであることは、私に伝わっていると制作を通して思わされます。色々な嘘を重ねた作品・お餅を並べて、どうにか嘘がまことになるような瞬間を作れたらと思います。
会期:2025年8月16日(土)〜9月6日(土)
会場:hitoto
時間:13:00〜19:00
休廊:火・水曜
企画:hitoto
広報デザイン:タナカタツヤ(hitoto)
大阪市北区天神橋5-7-12
天五共栄ビル301