展覧会ステートメント
「お絵描きチャット(絵チャ)」とは、複数のユーザーがオンライン上の共有キャンバスにリアルタイムで絵を描き合いながら交流する⽂化です。インターネットの普及とともに、2000年前後から「ネット絵師」たちに親しまれ、いまもSNSやDiscordなどを通じて広く⾏われています。
⾃由度の⾼いデジタル空間でありながら、通常は互いの領域を尊重するマナーのもとで⾏われる「絵チャ」ですが、私は特に、絵を通して⽣まれる即興性や遊び⼼に可能性を感じていました。実際に私は、画⾯が絶えず上書きされる終わりのない絵チャや、オフ会での即興的な合作、観客参加型の展⽰などを通じて、イメージや空間が他者の介⼊によって変容していくことの⾯⽩さを追求してきました。
「絵チャ」を、他者との共⽣や⼲渉を通じた創造的対話の実験場として捉えたとき、パンデミックを経た今こそ、コミュニケーションにおける多様な距離の共存や、その造形の混沌と秩序のあわいに注⽬し、共鳴し合うアーティストたちと開かれた形で楽しみたいと思うのです。
出展作家 プロフィール
1990年東京⽣まれ。⽇本⼤学芸術学部美術学科絵画コース卒業。東京を拠点に活動。
ポップカルチャーと現代美術を融合させ、『キャラクター』を軸に独⾃の絵画世界を築く画家・美術家。⽇本⼈の⺟と⾹港⼈の⽗のもと、幼少期からマンガ、アニメ、ゲーム、インターネット⽂化に親しみ、マンガ⾵の落書きを描くことを好んだ。
⾼校⽣になると、ポップカルチャーと現代美術への関⼼を深め、現代絵画の領域で活動を開始。キャリア初期の2007年頃から、「ポストポップ」のコンセプトの元で、インターネット⽂化に着想を得たドローイングや絵画を制作。同時代のアニメやイラスト、インターネットミーム、落書きやいたずら書きといった要素を融合させ、絵画のルールをはみ出していくシュールな作品を⽣み出す。2011年以降は、東北地⽅や瀬⼾内地域の芸術祭への参加を機に、⾃然科学や美術史上のモチーフへと着想源を拡張し、キャラクターと融合させた⾵景画を描く。また、SNS を通じて出会ったアーティストと協働し、「ポストポッパーズ」、「カオス*ラウンジ」、「キャラベスク」などの集団展⽰を企画し続ける。
多様な創作物を組み合わせ、鑑賞者と共に、現代社会の⽂化や記憶への新たな視点が⽣まれる空間を⽬指している。

1989年⽣まれ。触覚的な筆致で描かれるドローイング、スプレーやコラージュを⽤いたペインティングや壁画、廃棄物を使ったオブジェなど、様々な表現を往復しながら作品を創り続けている。contact Gonzoとしても活動中。
1993年 福島県⽣まれ
2017年 東北芸術⼯科⼤学芸術⼯学研究科芸術⽂化専攻洋画研究領域修了
滋賀を拠点に活動カートゥーンやゲーム、インターネット⽂化に影響を受ける。
ノートに覆いかぶさってコソコソと絵を描いたり、お絵描き掲⽰板でどうぶつの森やカービィの絵を描きまくっていたのが出発点。
Group Exhibition「ECHA」
出展作家:藤城嘘、NAZE、ク渦群会期:2025年8⽉9⽇(⼟)〜 9⽉7⽇(⽇)
会場:Marco Gallery 3F
時間:13:00〜18:00(最終日は〜17:00)
定休:⽉・⽕曜、祝日 ※⽔曜はアポイント制
大阪市中央区南船場1-12-25
竹本ビル